不釣愛２ [藤原愁] (ページ9)

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第五十五話　放課後ページ9

Aside

お昼休みの終わりに、詩音から放課後に話をしたいと言われたので、武藤先生に今日も稽古を休むと伝えた。
今日は茶道部の稽古は休みだが、詩音が特別に許可をもらって茶道会館で自主練習を行うらしい。そこに、私もついて行くことにした。

詩音「先ず、私と藤原君は付き合ってないわ。Aの誤解なの」

『…え』

誤解？私の？
だとしたらあの会話はなんだ…？一体二人は何の秘密を隠している？愁が私に隠していること、愁が知っていて私が知らないこと・・・！

『！…もしかして、お姉様が関係しているの？』

愁しか知らなかったこと。それは、お姉様の死の真相それから繋がる私たちの婚約の両親の意図だ。実際私はそのことを知って深く傷ついた。

詩音「そう。…Aのお姉さんを轢いたのは、私のお父さんなの」

『え！？』

まさか、そんなところで繋がっていたとは…

詩音「このことを伝えたら、Aは私と友達じゃなくなっちゃうんじゃないかって思ったの。だから、今まで隠してたの。ごめんなさい」

『ちょっと待って…じゃあ何で私と関わったの？』

詩音「・・・中等部の入学式の日、Aの名前を見て同じクラスになったことを知った。絶対関わらないようにしようって決めてたの。Aの顔は、お母さんとお詫びに行った時に見かけたから覚えてた。でも、藤原君のことで質問攻めにされてるAを見て、姉を失ったショックとかいろいろあるから可哀想だって思ったの。その時、私がAの側にいて、Aが学校生活で悲しい思いをしないように見守ろうって決めたの。だから、思い切って声を掛けた。」

家に何度かお詫びに来ている女の人がいることを知っていた。でも、姉を失ったショックで殆ど顔も名前も覚えていなかった。
あの時、詩音が困っている人を見過ごせない性格だから声wをかけたと思っていた。実際そうだったけど、私との関係を知ったうえで声を掛けてくれだたんだ。

詩音「…ずっと、隠していようと思った。Aは私の事わかってなかったみたいだし、それを知ったら、また悲しい思いをさせるんじゃないかって思って。でも、この前、藤原君からAがお姉さんのこと全部知るから私もだい兄の事も話したの。そしたら______」

『だい兄って誰…？』

詩音「_________＿＿＿＿＿________＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿望月大輝。花梨さんの元恋人」