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桃side




…………………………ん?

自分が住むアパートの玄関の前に子どもが座ってる。

だれや、もしかして、

赤「のんちゃ、っ……」

桃「だいきくん?!」

ブルブルと震えるだいきくんは、あの日より冷たくて、唇も真っ青。


桃「いつから居たん、おかんは?」

赤「あ…え、っと」

桃「ごめんごめん、一回家入ろっか」

小さな身体を抱え、家に入る。


暖房を入れ、水で手を洗わせて。

…デジャブ。




赤「のんちゃん、ぎゅ」

桃「おいで」

ぎゅーっと抱きしめれば、さっきより体温が上がった気がする。


桃「だいきくん、おかんは?」

赤「なんか、僕、おっきいおうちのまえに置いてかれちゃった」

桃「え?おっきい、おうち?」

赤「うん、おっきくて、、あとこどもがたくさん」

大きい家に、子供たち。

その前に置き去りにされたなら、どんな建物かは言わなくても分かる。


桃「そこにおらんくて良かったん?」

赤「そこにいるより、のんちゃんといたほうがいい」

顔を歪ませて話すだいきくん、頭を撫でれば溢れ出す涙。

赤「っ、うわぁぁん、」

桃「頼ってくれてありがとうなっ、」

聞けば空がオレンジ色になった時から俺の家の前に居たらしい。

あの一回で家を覚えてくれてたことに喜びを感じつつも、

あんな寒い中に居させてしまったことにまた申し訳なさが積もる。



一通り泣き、話したら今度はお腹がすいたと。

冷蔵庫を開ければ、前より空っぽ。

仕方ない。コンビニにでも行くか。


桃「だいきくん、コンビニ行こう」

赤「いく!」

のこのこ着いてくるだいきくんは、前と違って長袖を着ている。

桃「寒ない?」

赤「だいじょうぶ!」

桃「よし。行こか」

赤「いってきます!」

手を繋いで外に出たんやけど。



赤「のんちゃ、さむい…」

桃「冷え込むもんなぁ、ほんなら!」

赤「わぁ!くふふ、たかい」

あの日、上着を買えなかったから、またコートで包んでやった。


桃「だいきくん何食べたい?」

赤「んー、はんばーぐ!」

桃「じゃあコンビニ着いたら買おうな」



ぎゅっとしがみついてくるだいきくんの可愛さには、多分一生慣れへんと思う。笑

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作者名:ヨン | 作成日時:2021年12月16日 14時

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