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桃side
神山さんと中間さんと三人でテーブルを囲み、お昼休憩。
話題はだいきくんのこと。
黄「照史が託児所に新しい子来るって言ってたけど、
小瀧の子やったんか」
桃「なんか、世界って意外と狭いなぁっていうか…」
黄「ほんまやな笑」
緑「しかも中間さん、濱ちゃんのお店行くんすよね?」
黄「めっちゃ行く。常連やもん」
桃「えぇ、みんな顔見知りやないですか……笑」
偶然なんか、必然なんか…って三人で笑いあってた時、
俺のスマホが鳴った。
表示された名前は、桐山さん。
ふとだいきくんの顔が浮かんだ。
何となく胸騒ぎがして、急いで席を立つ。
桃「出てきます、すみません」
緑「全然ええよ」
電話に出れば、聞こえてきた焦りの声と、小さな泣き声。
橙『あ、出た!良かった…。仕事中やった?』
桃「いえ、今は休憩中です。何かありました…?」
橙 『だいきくん、小瀧くんが居なくなってから
ずーっと泣きっぱなしやったんよ。
今は落ち着いたけど、呼吸苦しくなるまで泣いてもうて』
あぁ、やっぱり朝の涙は 行きたくない のサインやったんや。
桃「そうやったんですね。すみません…。
仕事終わったらすぐ迎え行きます」
橙 『小瀧くんの職場、オーナーって淳太くんやんな?』
桃「あ、そうです」
橙 『さっき小瀧くんのこと早く上がらせてって
メールしたんやけど…』
流石桐山さん、仕事が速い。
中間さんに確認する為に 部屋へ戻ろうとすると、
ドアに寄りかかってこっちを見ていて、
グーサインを出してくれた。
…………………見た?何今の、かっこよ…。
桃「すぐ向かいます」
橙 『待ってます!』
緑「はい、行ってらっしゃい。また明日な」
黄「お疲れ様、気を付けて」
いつの間にか荷物を纏めていてくれた神山さんと、
何事も無かったようにコーヒーを飲んでいる中間さん。
二人に見送られて、職場を後にした。
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作者名:ヨン | 作成日時:2021年12月16日 14時