ひとりぼっちはいや ページ19
桃side
桃「だいきくん」
赤「ん！」
夜ご飯を食べ終えて、お風呂へ。
だいきくんの身体を洗ってる時に思い出した〈託児所〉の存在。
湯船に浸かりながら、話してみる。
桃「俺お仕事があるから、だいきくんと一緒に居れへん時があるんよ」
赤「のんちゃんと離れ離れ？」
桃「いや、そうじゃないねんけど、日中だけ会えへんのよ」
赤「にっちゅう……？」
いやなんか、伝えるの難しすぎるわ。
託児所ってある種 施設みたいなもんやし。
養護施設とはちゃうけど、子供が沢山いるし。
やっぱり施設に抵抗があるだいきくんは、嫌がると思う。
桃「俺がお仕事行ってる間、他の子どもたちと遊ぶんはどう？」
赤「……………………いやや」
桃「でもさ、だいきくんを家に置いておけへんのよ」
赤「のんちゃんも、また、あそこに戻すんやろ…」
桃「え…？」
赤「まいにちいっしょやって言った…」
桃「一緒やで、一緒やけど、っ」
赤「でる」
悲しそうな、少し怒ったような顔をして、
浴室のドアを開け、いつも使ってるタオルを手に取るだいきくん。
桃「拭いたるよ」
赤「いい、じぶんでやる」
やっぱり、施設出てきたばっかりで託児所の話はあかんかったか。
5歳で仕事のことまで理解出来るとは思えんし。
でも結構な日数休んでもうてるから、明日は仕事行かなあかんし…。
俺も急いで上がってだいきくんの後を追えば、
服を着て、あっという間に寝室へ。
桃「だいきくん、髪痛むから頭だけ乾かさな」
赤「………」
無言でいつもの定位置へ。
いつも乾かしてる途中で寝てまうのに、今日はなんだか強がってる。
桃「はい、ええよ」
赤「……………ありがと」
ボソッと呟いてまたベットへ。
この状況でもお礼は言えるし、だいきくんはええ子。
なんて思った俺は相当な親バカになるだろう。
俺とは反対側の方向を向いて寝るだいきくん。
横に寝転がり、抱きしめてやった。
その時、聞こえた言葉。
赤「ひとりに、しないで…」
ずっと一人やっただいきくんの、切実な願いやと思う。
桃「っ、ひとりにはせえへん」
夢の中へ入ってるだいきくんを強く抱き締めた。
急やけど、明日は仕事を休もう。
仕事仲間も理解してくれるはず。
桃「おやすみ、だいきくん」
絶対にひとりにはさせへんから
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作者名：ヨン | 作成日時：2021年12月16日 14時
