いっそ忘れて ページ6
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嫌な予感ほど本当に当たるものだ。
『…何言ってるんですか?
そんなわけないじゃないですか、
バレーは授業で真面目に勉強していただけで、国見くんについて気づいたこともそこからなので』
さらさらと頭に浮かんでくる文字、
私はそれを淡々と言葉にした。
自分でも驚く程に温度のない声だった。
少し強ばったような表情で、及川さんは応えてくれた。なんだか申し訳なくなる。
「…そっか、なんかごめんね?
実は俺が保健室まで運んだんだけど、その時に腕の筋肉のつき方とかがバレーしてる人っぽいなって思っただけで…
…って何もしてないから安心してね!?
ごめんね!!及川さん変態じゃないよ!?」
先程とは一転、慌てふためく及川さんにどこか安堵する。
このまま話題を変えよう。
そうしなきゃまた私がおかしくなりそうだった。
『…及川さん、マネージャーの件ですけど』
まだ慌てている様子の及川さんに話を持ち掛けた。
「うん!やってくれる気になったかな…?」
不安気な顔で聞いてくるもんだから、やっぱりやりません、と言うつもりが
『…見学、今度でいいのでさせてもらえませんか』
私は倒れたせいで頭がおかしくなってしまったらしい。
「…やっぱダメか〜………
って、え?え??
え、いいの!? Aちゃん!」
驚きと満面の笑み、キラキラーっと輝いている瞳はどことなく子供みたいだった。
いっそ、頭がおかしくなった自分に身を委ねてもいいんじゃないか、
そんな甘ったるいことを考え、
はしゃいでいる及川さんを横目にせっせとタオルケットを畳んだ。
《本当に、いいの?》
そんなのは聞こえなかった。
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ハミチキ
相性バッチリなキャラ
及川徹
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yum(プロフ) - 明花ーめいかーさん» コメ共に勿体無いほどのお褒めの言葉ありがとうございます!!とても嬉しいです!!更新ペース遅くなってしまうこともあるかもしれませんが、どうぞよろしくお願いします(*^^) (2018年4月5日 10時) (レス) id: d2a45babe5 (このIDを非表示/違反報告)
明花ーめいかー(プロフ) - コメント失礼致します!お話の書き方がとてもとてもお上手ですね…!内容も続きが気になるようなもので素晴らしい作品だと思います!お気に入り失礼登録します!今後も無理のない程度に更新頑張ってください!応援しております.*。 (2018年4月5日 10時) (レス) id: 7724177e8c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:yum | 作成日時:2018年4月5日 1時