自己尊敬 ページ13
.
「…中、入りなよ」
扉をガラッと開けて、失礼します、と小さくお辞儀した国見くんのあとを追いかける。
『失礼、します…』
久々のおぼつかない響きが耳に残る。
「おおおー！失礼します!!」
隣で元気に挨拶する凛がなんだか羨ましかった。
「あ、そうだ。
また及川さんから何か言われて…見学？」
少し遠くから聞こえる声に
『んー、一応！どこにいたらいいかな、
来たら案内するよ〜とは言われてたんだけど』
昨日みたいに私は弱くないよ、とでも言うように元気に応えた。
…………………
「んじゃあ準備あるから、ギャラリーにいた方がいいかな」という国見くんの提案に乗っかり、上から2人で体育館を見渡してるところだ。
「あー…国見くんの横顔が綺麗すぎる」
『凛……ほどほどにしてね』
ぼーっと頬杖をついて熱っぽい視線を送る先にはアップ始めようとしている国見くんの姿があった。
『あ、そういえば部活どうすんの』
部活体験入部期間もそろそろ終わり、そろそろ本入部しなくてはならないのだった。
「んあー、どうしよ、Aちゃんは？」
…うーん、今絶賛見学中っちゃ見学中なんだけど
やっぱり私はここにいたい。
バレー出来なくても、関わっていたい。
またそんなことを考え始めていた。
『……マネージャー…か』
「えぇぇ!?Aちゃんが!!」
とてつもなく驚くもんだから私までびっくりした。
『なによ、変なわけ』
「いやいやいや！むしろ似合ってると思う！」
キラキラした視線がまた痛い。
『そっか……ありがと』
マネージャーかあ、憧れるなーなんて言ってても国見くんを見続けてる凛は相当惚れてるらしい。
「でもやっぱあれかな、美術部…
それぐらいしか取り柄ないし!!」
凛は自己的な発言にあまり温度がない。
なんでだろう、と考えるけど踏み込んだらダメなような気がして。
『そっかそっか、今度絵見せてね』
もっちろ〜んなんて、そんな凛は通常運転だった。
続く
お気に入り登録で更新チェックしよう!
最終更新日から一ヶ月以上経過しています
作品の状態報告にご協力下さい
更新停止している| 完結している
←再開(仮)
ラッキーアイテム
ハミチキ
相性バッチリなキャラ
及川徹
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 38人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
yum(プロフ) - 明花ーめいかーさん» コメ共に勿体無いほどのお褒めの言葉ありがとうございます!!とても嬉しいです!!更新ペース遅くなってしまうこともあるかもしれませんが、どうぞよろしくお願いします(*^^) (2018年4月5日 10時) (
レス) id: d2a45babe5 (このIDを非表示/違反報告)
明花ーめいかー(プロフ) - コメント失礼致します！お話の書き方がとてもとてもお上手ですね…！内容も続きが気になるようなもので素晴らしい作品だと思います！お気に入り失礼登録します！今後も無理のない程度に更新頑張ってください！応援しております.*。 (2018年4月5日 10時) (レス) id: 7724177e8c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：yum | 作成日時：2018年4月5日 1時
