Touch and Go

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「チョンくんごめんね、
遅くなっちゃったね....？」


「いえ、資料作り手伝ってもらったし、
お礼って言ったら変ですけど。笑」




....あぁ、もうホントいい子。




会議自体長引いちゃったのもあるけど




ケータリングでコーヒー頼んだから




諸々の後片付けをしてたら
あっという間に8時半。




だけど他に誰も手伝ってくれないから




チョンくんが声掛けてくれて助かった。




....チョンくんには悪い事しちゃったけど。




「この埋め合わせは今度必ずするからね？」


「いえ、だからこれは
当たり前の事っていうか、」


「でも、」


「それだったら今がいいです」


「え....今？」


「....はい、今」


「？」




今って....




ここ職場だし会議室だし、




「....僕の彼女になってください」


「、」




彼女....？




これって昨日言ってた、




「昨日僕が言った事、
忘れてないですよね....？」


「忘れては....いないけど、」




テヒョンの事で頭がいっぱいで




....考えようともしてなかった。




“ 近いうち彼氏になります ”




....その言葉の意味を。




「....ずっとAさんが好きでした。
なのに途中でヒョンに持ってかれるとか、」




ヒョンて....




やっぱりテヒョンの事だよね....？




「....別にテヒョンとはそういうんじゃ、」


「じゃあ僕の彼女になってください」


「、」




そういう事になっちゃうのか....。




どうしよう。




チョンくんの事は好きだけど




それは後輩や同僚としてだし




今ここで返事なんて出来ないよ....。




「....ヒョンとは
どういう知り合いなんですか？」


「....どういうって、」


「付き合ってるんじゃないのに
あの親密さはなんですか？」


「、」


「ヒョンがあんなになるの初めて見ました」


「え...」




初めて....？




「少なくともヒョンは
Aさんに執着してると思います」




執着....って、




「女の子はいつもおもちゃみたいに
取っ替え引っ替えで、

....執着した事なんてなかったのに」


「そんな、」




どういう事....？




そしたらマスターさんが言ってた事も




テヒョンの言動も




嘘でも勘違いでもなかったって事....？





「....もう一度聞きます。
ヒョンとはどういう知り合いですか？」


「....それは、」


「ヒョンの事どう思ってますか...？」






....どうしよう。







なんて答えたらいい....？





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