Touch and Go

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「Aさん、体調悪いですか....？」


「え...？」




午後、お昼休憩も終わって
だいぶ経った頃




チョンくんが恐る恐る、
って感じで聞いてきた。




「....朝から思ってたんですけど、
なんとなく体調悪そうっていうか
辛そうっていうか、」


「、」




チョンくんて鋭い。




実は背中とか腰とか




所々結構痛い。




....まあ、昨日の今日で
痛みが引くとも思ってなかったけど




仕事中には出さないように




必死に我慢してたんだけどな....。




「....ううん、大丈夫だよ？
気にしてくれてありがとうね。笑」


「それはAさんだから、」


「ん？」


「....いえ、なんでもないです」


「？」




....変なチョンくん。




言いたい事を
はっきり口に出したかと思えば




....今みたいに口ごもったり。




「....ほら、キムさんに頼まれてた
会議資料は出来たの？ 笑」


「...あ、あと少しです」


「そしたら早く仕上げちゃおう？
出来上がりチェックしてあげるから。笑」


「....はい。笑」




いつものチョンくん....かな。




いつも明るくて




職場のムードメーカー的存在の
チョンくんは




きっと人一倍周りを見てて




人一倍気を遣ってるんだと思う。




まだ新人だから、とかじゃなくてね？




ホントいい子。




そんなチョンくんに嘘をついてる私は




なんてダメな大人なんだろ。




「あの....Aさん、」


「ん、なぁに？」


「....いえ、なんでもないです。笑」


「そう...？」


「はい。笑」




チョンくんはにっこり笑うと
自分のデスクへ戻って行ったけど




....そっか。




このはっきりしない感じは




昨日の事絡みか....。




よくよく考えてみれば




チョンくんにも意味深な事
言われたんだし。




....確かめた方がいいのかな。




....聞かない方が
いいような気もするけど。




だけどチョンくんも




切り出そうかどうしようか迷ってるから
あんな感じなんだよね、




たぶん....だけど。




「....しっかりしなくちゃ」




テヒョンの前でもチョンくんの前でも




強くいないと。




テヒョンには会わないように
気を付けよう。




変な人になっちゃうかも知れないけど




帰りは周りをよく見て
注意を払わないと





気が付いたらまた捕まっちゃうから。






捕まっちゃったら








....後戻り出来なくなっちゃうから。





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