Touch and Go

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「....っこういうとこで、デキる？」


「...っ、」




やっと唇は離れたけど




こういうとこでデキる？ って




ここで....？




もうすでに腰が抜けそうな私は
返事すら出来なくて




ふるふると首を横に振った。




「こういうとこでシた事ない....？」




今度は....縦に。




「....そっか、残念。
俺、無理矢理はシない主義だから。笑」




....よかった。




これで解放される。




「目に涙溜めて...
めっちゃそそられるけど。笑」


「、」




そう言うと




軽く触れて




ちゅ....っと離れていく唇。




「気持ちよかった....？ 笑」


「...」




そんなの、答えられないよ。




「俺は気持ちよかったよ....？ ほら、」


「っ、」




改めて押し付けられる、彼の腰。




そこに意識を集中すれば




さっきより変化してる事がわかって




....身体の芯がきゅんとした。




「キミ....可愛いね？
もっと鳴かせたくなる。笑」


「...や、」


「...安心して？ 今日はここまでだから。笑」




そう言ってふっと笑うと




私の目尻に溜まった涙を親指で拭って




そのまま口元に持っていくと




....ぺろっと舐めた彼。




その色っぽい仕草にド○○キしてる私は




どこかおかしいんだと思う。




だってこんなの、襲われたも同然なのに。




....ていうか、“ 今日は ” ってなに？




もう、次なんてないでしょ....？




「今度は....ちゃんと抱いてあげるね。笑」


「....っ、今度、なんて、」


「ないかも知れないよね....？ 笑」


「、」




この人、なに言ってんの....？




「...でも、キミとはまた
会える気がするんだよね。笑」


「そんなの、」


「会えるよ、きっと。笑」


「っ、」




背の高い彼が少し頭を下げたかと思ったら




首の付け根あたりに




ピリっとした痛みが走った。




「っ...なに？」


「....俺の事忘れないおまじない。笑」


「え...」





顔を上げた彼は




なんとも言えない色っぽい瞳で
私を見下ろして




また....ふっ、と笑った。





「....出よっか。
部屋まで連れてってあげるから。笑」


「....大丈夫、です、」


「ここから一人で出れるの....？ 笑」


「、」





....出れない。






彼は個室の鍵を開けて顔を覗かせると







「...今誰もいないから、ほら。笑」








私の手をサッと取ってトイレを出た。





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