Touch and Go

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エレベーターのボタンが押されたのは8階。




すぐに着きそうでなかなか着かない。




だけどテヒョンは




私の手をぎゅうっと握る以外
何もして来ない。




それが余計に胸をド○○キとさせるから
早くエレベーターを降りたいけど




降りたらテヒョンと....って思うと




ずっと乗っていたい気もする。




「降りるよ」


「え、」




そう思ってたのに




無情にもエレベーターは
8階に着いてしまった。




ちょっとしたホテルみたいに綺麗な廊下を
ひたすら左に進むと




テヒョンは突き当りの部屋の前で
立ち止まって




コートのポケットから鍵を取り出して
ドアを開けた。




「入って」


「....っ、」




繋いでた手を解くと




ほとんど押し込むようにして
私を中に入れた。




「テヒョン...っ」


「....俺を止めるなって言ったでしょ？」


「！」




そう言うと




間髪入れずに唇を塞がれた。




「...っ、」




後頭部をがっちり押さえられてるから




逃げたくても逃げられない。




「ん...っ」




思わず声が漏れちゃったら




それが合図だったかのように
テヒョンの温かい舌が滑り込んで来て




私の舌を追いかけ回すけど




....そもそも私は逃げたいの？




「....諦めなよ、」


「んぁ、」




ここまで付いて来たのは私。




こうなってもいいって




心のどこかでそう思ってたから




だから付いて来たんじゃないの....？




「....A、」


「...っあ、」




テヒョンの手のひらが




コートの上から胸を包む。




それだけで全身が震えて




例え玄関ででも




寒くても




このまま抱かれてもいい、なんて
思ってる私。




だってやっぱり、




テヒョンとのキスは気持ちいいし




その先が連想されておかしくなりそうだし




....どうしてテヒョンが
私を欲しいと思うのか興味があるのも事実だし。




って私、こんな女だったんだ。




彼氏でもないよく知らない男の人と




「やぁ....っん、」




....こんな事しちゃうなんて。




「....っやっぱり、Aいいね？ 」


「...っ、」


「....ここ寒いからあっち、」


「、」




おでこにちゅっとキスを落とすと




私の腕を引っ張るようにして
部屋に上がるテヒョンは




なんだかとっても余裕がなさそうで。




「....まって、」


「ダメ。早く、」


「っ、」







もう、心臓が壊れそう....。





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