Touch and Go

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来た時と同じように




テヒョンに手を繋がれて
迷路みたいな路地を進んで行く。




....いいの....？




....ううん、よくない。




だって、明日の朝は早いし




このままテヒョンと....なんて
よくないに決まってる。




「テヒョン....っ」




前を行く広い背中に声を掛けるけど




さっきから全然返事をしてくれない。




「ねえ、テヒョン....っ、」




かと思ったら急に立ち止まって
こっちを向いた。




「ここで襲われたいの....？」


「え」




どういう事....？




「俺は、今すぐにでもAが欲しいの。
だから抱こうと思えばどこでも抱ける」


「っ、」


「言ってる事わかる....？
俺を止めたらここでもヤッちゃうよって事」


「え、」




そんなの困る。




ていうかそもそも、




「...でも、私行くって言ってない、っ」


「付いて来てるんだから同じ事でしょ....？」


「じゃあ帰る....っ」


「もう遅いよ」


「ちょ....テヒョンっ」




いつになく真剣な表情のテヒョンに




繋いだ手を引っ張られるようにして
歩き出したけど




これってやっぱり....確定なの？




私は今日テヒョンと




この前の続きをしちゃうの....？




そんな事を考えただけで
身体中がきゅんとするし



テヒョンの歩幅が大きくて
気持ち小走りになっちゃってるからか




なんとなくクラクラふわふわして来たし、




頭の中では危険だって警鐘鳴らしてるのに




どこかに




好奇心を抑えられない私もいる。




「...っ」




テヒョンと出食わした大通りまで出ると




テヒョンは右に曲がって




もっと足を早めた。




私が通勤で使ってる駅も通り過ぎて
ひたすら歩いてるけど




家....この近くなのかな。




....って、今はそんな事どうでもよくて




「....こっち、」


「え、」




また右に曲がると




こんなところにあったんだ、
って思うほどの住宅街。




いつもは駅と職場を往復するだけだから




大通りを一本入っただけなのに
全然知らなかった。




綺麗なマンションの前まで来ると




そのままエントランスへと入って行く。




テヒョンて、こんなすごいところに
住んでるの....？




「、」




たまたま停まってたエレベーターに
乗り込むと





私の指に指を絡めて





恋人繋ぎをしてきたテヒョン。






しかもぎゅうっと握って来て







....どうしよう。








私、捕まっちゃったんだ....。





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