GIVE ME ... LOVE《特別編》

30 ページ30

.



思ったより早くバイト上がれたから




時間が合うなら迎えに行ってやろうと思って
メッセージ送ったのに




相変わらず既読にならないし。




こういうのが俺をイライラさせるって事




Aは全然わかってない。




「話弾んでんのかな....」




最近はアヨンと出掛けるのさえ
許してなかったから




話したい事はたくさんあるんだろうな、
とは思う。




それでも、




アヨンにすら妬けるんだから仕方ない。




例えアヨンでも




俺からAを、




二人の時間を奪って欲しくない。




....出来ることなら一日中一緒にいたい。




片時も離さずに、
腕の中に閉じ込めておきたい。




正直、学校もバイトもどうでもいい。




Aさえいればそれでいいのに




なんで世の中はそれが許されないんだ。




今だって、いても立ってもいられない。




どこの店にいるのかもわからないのに




足が勝手に動いてる。




....この間の男と一緒だったらどうしよう。




Aを信じてない訳じゃないけど




ああいう男が身近にいるって思ったら
気が気じゃない。




アヨンの元彼、




名前すら覚えてないけど




アイツの一件があるから




俺の目の届かないところで、




....もちろん目の前でも、




他の男といて欲しくない。




愛されてるってわかってるのに




不安で仕方ない。




いくら抱いても




いくら愛しても




全然、足りないんだ....。




どうしたら安心出来る....？




どうしたら満足出来る....？




どうしたら、
ホントの意味で充たされるんだ....？




「...くっそ、」




一向に既読にならないメッセージ。




今度は電話を掛けてみる。




『Prrrr...Prrrr....』




無機質な機械音。




『Prrrr....』




....出ろ。




早く出てくれ。頼むから。




『Prrrr....』




A....っ。




『....もしもし？』


「...っ、」


『ジョングク....？』


「、」





名前を呼ばれただけで






....泣きそうになるなんて。







お前は一体、








俺に何をしたの....？





.

31→←29

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す