ありえない恋の話。2

58 ページ8

.



「Aの家....行っていい？」


「え...」




それってこの間と同じパターン。




ていうか、




家に行っちゃったら....ねえ？




そういう事でしょ....？




さっき、欲しくなっちゃったって
言ってたんだし




確定でしょ....？




「....だめ？」


「、」




だめって訳じゃないんだけど
だめって言うか、




だって




ソクジンと抱き合うのは気持ちよくて




....溺れちゃいそうで怖いんだもん。




「Aの家だったら
俺が朝帰りすればいいだけだし、」


「....」




よくわかってらっしゃる。




こういう、私を優先してくれるところは
前からだよなぁ....。




優しいだけだと思ってた私ってホントにバカ。




「....A？」


「...あ、えっと、」


「だめ....？ っていうか嫌だ....？」


「、」




ああ....もう。




「...だめじゃないし、嫌じゃない」




結局こう言ってる私。




だってやっぱり離れたくないし




まだまだ一緒にいたい。




付き合いたてってこんなんだったっけ、
なんて




遠い昔の記憶を辿ってみるけど




こんな事ってなかった気がする。




....ソクジンの事は




何年も前から知ってるからかな。




「じゃあ....行ってもいい？」


「....うん、」


「よかった。ありがとう。笑」


「....どういたしまして」




こうやってちゃんとお礼言ってくれるし。




こういうとこは




前々から好感持ってたんだよね。




ちゃんとしてるなぁって。




「そしたら早く行こう？
時間もったいないから。笑」


「あ...うん、」




腕を完全に解かれると寒かったけど




また、手を繋ぐとポケットに入れてくれるから
あったかくて。




そのポケットの中で指を絡めると




ぎゅ、っと握ってくれて。




それだけで幸せを感じちゃってる私。




裏通りから出ると
表通りはまだ人が多くて




行き交う人とぶつかりそうになるけど




ソクジンが繋いだ手を
腕ごと引き寄せてくれるから




ぶつかる事はないんだけど




その度きゅんとしちゃって。




....歩幅も、歩く速度も
私に合わせてくれるし




ホント、ソクジンて優しいんだよね。




もう、きゅんとしすぎて
どうにかなっちゃいそう。





「....A、」


「ん...？」


「...好きだよ。笑」


「、」






もうやだ。







....ソクジンのバカ。





.

59→←57

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す