ありえない恋の話。2

56 ページ6

.



二人でゆっくりコーヒー飲んで




そのあとごはんも食べに行って、




あ、今日はお酒なしね、




で、明日も仕事だし帰ろっか、




って事でお店を出たんだけど




「....ソクジン？」




....突然、抱き締められちゃってる私。




「....ごめんね？
Aは俺の彼女なんだ、って
噛み締めたくて....」


「、」




....やっぱり照れ臭い。




昨日と違って裏通りだから
人通りほとんどないし




....“ 彼氏 ” だから
何してもされてもいいんだけど




当然、まだ慣れないよね。




でも慣れないけど、




こうされてると




付き合ってるんだなって実感する。




だから、ソクジンが言ってる事も
納得出来るんだけど




....照れ臭い。




「....キス、してもいい？」


「え...」


「だめ....？」


「え...っと、」




だめじゃないけどここ外だし、




って昨日もしちゃってるんだから今更だけど




今日はシラフだから恥ずかしいっていうか




“ 彼氏 ” って事をこれでもかってくらい
認識させられちゃうから恥ずかしいっていうか、




「....A？」


「、」




腕が緩んで




背の高いソクジンが
覗き込んでる気がするけど




顔を上げられない私。




「....なんで聞くの？」




恥ずかしいから時間稼ぎ。




「んー....なんでって言われても困るけど、
ここ外だから聞いた方がいいかなって。
今更だけどね。笑」


「....」




ホントだよ。




今更でしょ。




「....別に、いちいち聞かなくても
もう付き合ってるんだから、」


「じゃあいい....？」


「だから、....っ、」




....返事してないのに。




って、顔上げちゃったのがいけないんだけど




唇がくっついちゃった。




だけどすぐ、




触れただけだったソクジンの唇は




私の唇全体を食むようにしながら
吸い付くから




ちゅ、って音がやけに耳に響いちゃって




...なんか危険なんだけど。




....ていうかさ？




ソクジンてこういう事するイメージ
なかったから




意外すぎてドキドキする。




「...っ、ごめんね？」


「、」




最後にちゅ、って音を残して唇を離すと




ソクジンはもう一度私を抱き締めて謝った。




「....なんで謝るの？」


「....なんでだろ、」


「....変なソクジン。笑」


「ん....だね。笑」





....ホントはなんでかわかってる。






でももう付き合ってるんだから







謝らなくていいんだよ....？





.

57→←55

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す