これって運命でしょ？ 3

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「Aさん....っ」




歯磨きとメイク直しを無事に終えて戻る途中




聞き覚えのあるハスキーな声に
呼び止められた。




「....テヒョン、くん、」




....危なかった。




呼び捨てにするとこだった....。




「お疲れ様です。ソクジンさんとはもう
お話終わったんですか？ 笑」


「お疲れ様。もう終わったよ？」




顔見るだけじゃなくて




話しかけてもらえて笑顔まで見れて




私って幸せ者....。




とか言ってる自分が恥ずかしい。




「ひとり？」


「はい、ジウォンはタバコ吸いに行ったので、」


「ジウォン....？」


「もうひとりの ” キム “ です。笑」


「あ」




私って最低。




同じ部署の新人くらい、
フルネームで覚えなさいよ。




「今の、もうひとりのキムくんには内緒ね....？」


「はい。笑」


「、」




....やっぱり可愛い。




「あの....Aさん、」


「ん？」


「....消臭剤貸してもらえますか？」


「え」




なに？ 突然。




「さっき....ミンさんに、」


「...っ」




ドキっとした。




悪い事してた訳じゃないけど




....見られてたんだ。




「....だから、僕にも貸して下さい」


「....うん、わかった。
時間なくなっちゃうから早く戻ろ？」


「....はい、」




ソクジンくんに、じゃなくて
ユンギにだった。




....拗ねてるのかな。




それとも、妬いてるのかな....。




隣を歩くテヒョンをチラッと見上げてみたら




....どっちもな顔かな、これ。




テヒョンには悪いけど




私にとっては可愛いでしかないんだけど。




「....Aさん、」


「ん、なに....？」


「....そんな顔で僕の事見ないで下さい」


「へ」


「抱き締めたくなっちゃうから、」


「ちょ、」




アンタまでこんなとこでなに言って、




ていうかどんな顔してたの私...？




ニヤニヤしちゃってたりとか、




いやいやそれとも物欲しそうな....




ちょっと待ってなにそれ、





「もう....Aさん好き、」


「っ」







だからっ！









ここ会社だからーっ！！





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