これって運命でしょ？ 3

144 ページ44

.



「会長の執務室とは言っても
誰が見てるかもわからないから、
家で会った方がいいだろう、って祖父が。笑」


「....そう、」




まあ....それはそうよね。




二人一緒にいるところを目撃されて




万が一、




エレベーターが最上階に止まったのを
見られたら




変な噂が立って困るのはテヒョンだもんね....。




だけど、いきなり家とは思わなかった。




「あ、家って言っても普通の家だから
そんなに緊張しないで下さい。笑」


「....」




たぶん




この人が言うところの ” 普通の家 “ って




私達平民が思ってるのと違うと思う。




絶対。




「....家で会うっていうのはわかった。
確かに安心だもんね？」


「はい、そうなんです。Aさんには
わざわざ来てもらう事になって
悪いんですけど、」


「ううん、それはいいの。
会長お忙しいのに時間作ってもらうんだから、」


「あ、それもいいんです。
祖父は基本俺に甘いんで。笑」


「え...」




....甘いのに、




結婚相手は会長が決めた人と....なの？




ていうか孫に甘い会長とか
想像出来ないんですけど....。




だって、社報でしか見た事ないけど




自分にも他人にも厳しそうな




怖そうな人だったような気が....。




「....だけど結婚相手となると
キム家の将来に関わるから....
祖父が認めた人じゃないとだめなんです、」




....なるほど。




甘いからこそ、なのね。




可愛い孫には苦労させたくないって言う




どこにでもいるおじいちゃん、って事だ。




「....自信なくなって来たの？」




現実を思い出したのか




テンションが下がったテヒョンに
聞いてみる。




「....そんな事、ないですけど、」




....やっぱり怖いのかな。会長って。




「....やめる？」


「え」


「一般人の私なんて認めてもらえないかもよ？」


「Aさん、」




私も....なに言ってんだろ。




テヒョンに頑張って欲しい、って




会長に逆らってでも私を選んで欲しい、って




心のどこかで思ってるのかな。




だからこんな、





「なに言ってるんですか....！」


「え」


「Aさんはやっと見つけた運命の人です！
世界一....いえ、宇宙一愛してます！
だから祖父には絶対認めてもらいます！」


「....ちょ、」







声が大きい....！









ていうか注目の的じゃーん....！





.

145→←143

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す