ドS王子と恋愛初心者 3

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ナムジュンくんの車を
見えなくなるまで見送って




まだ少し筋肉痛が残る脚で
なんとか階段を昇ったら




私の部屋の前に




....信じられない人がいた。




「....ジミン？」




上から見てたのか




ジミンさんは通路の手すりに肘を付いてて




私の声に




ゆっくりと振り向いた。




「なんで....？」


「....なんではこっちのセリフ。
どこ行ってたの？ ....あの人と」




....どうしよう。




忘れずにちゃんと言っておけばよかったのに




言わなかったばっかりに




ジミンさんに悲しそうな顔させちゃってる....。




「....あの、」


「俺の電話にも出ないで、
あの人と何してたの....？」




手すりから手を離したジミンさんは




私の方に向き直る。




「電話、くれてたの....？」


「....したよ、何度も」


「え...」




サイレントにしてたのが裏目に出ちゃった....。




当然気が付かなかったし




....一度もスマホを見なかった。




「ごめんなさい、サイレントにしてて、」


「そんなに邪魔されたくなかった....？」


「え....ちが、」


「じゃあ何？」


「それは、」




ちゃんと説明しようと思ったら




ナムジュンくんに....告白、された事も
話さないとだし、




....そしたらそもそも




私はジミンさんに
なんて言うつもりだったの....？




ナムジュンくんと会うって言ったら




理由を聞かれる事なんて
わかってたはずなのに....。




「全部手に入ったと思ったのは、
俺の気のせいだった....？」


「え...」




やだ、そんな事言わないで....？




「気のせいじゃ....ないよ？」




ジミンさんの目をしっかり見つめて
言ったけど




....泣きそうになってきた。




「....信じたいけど、」


「じゃあ信じて....？」


「、」




だけど、私が悪いんだから泣いちゃだめ。




「私が好きなのは....ジミンだよ？」


「Aちゃん....」




ジミンさんが好き、って
自覚したばっかりなのに




いきなりケンカとか




....別れちゃうとか、もっといや。




そんな事考えたら




「....ごめん、泣かせて、」




我慢してたのに




やっぱり零れちゃった涙。





「....心が狭いな、俺」


「っ、」






そう言ったジミンさんに








....あっという間に抱き締められた。




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