これって運命でしょ？

7 ページ7

.



....結局折れた私。




だって、駅前でいつまでもあんなやり取り




恥ずかしいじゃない....？




遅い時間とは言え人通りもまだあるし。




....キムテヒョンと言えば。




嬉しそーうに私の手を握って歩いてる。




....私が折れた瞬間のあの笑顔。




それはまあ爽やかで眩しい笑顔でしたよ。




夜だっていうのに。




「ここはどっちですか？笑」


「....右」


「はーい。笑」




しかも可愛いし。




ってだからなに言ってんの。




イケメンに騙されちゃダメ！




実はこれめっちゃ酔ってて、




明日になったらケロッと
綺麗さっぱり忘れてるかも知れないし。




....本気にしてる訳じゃないけど




迂闊にもドキドキしちゃったからね。




気になる存在になる前に関わらない方がいい。




とか言って、




別に恋多き女でもないんだけど。




「ここは？」


「あ、ここ、」


「え」


「ウチ、ここだから」




あっという間にアパートの前。




グダグダ考え事してると着くのが早い。




「何階ですか？」


「は」


「あ！これは単純に心配だからです！」




その必死さが怪しいんだよね....。




だけど、私が中に入るの見届けないと
帰らなさそうだし....。




「....2階」


「....はい！2階ですね！笑」




....可愛い。




じゃなくて、




「近所迷惑になるから声抑えて、」


「あ、すみません....」




デカいくせに肩竦めちゃって




やっぱり可愛い。




ってだから！！




「....ここ、新築ですか？」


「ううん、外装を塗り替えただけ」


「へぇ....綺麗でいいですね。笑」


「....うん」




....悪い人ではないと思う。




たぶんね。




「....ウチ、ここだから。
わざわざありがとうね？」




部屋の前で立ち止まる。




「いいえ。俺が送りたかっただけなんで。笑」


「....帰り、気を付けて帰って？」


「はい。ありがとうございます。笑」




うーん....。




いい人、かな。




「....帰らないの？」




一応聞いてみる。




「Aさんが部屋に入ったら帰ります。笑」




....やっぱり。




「....それじゃあ、お先に。
ホントにありがとう」


「はい、おやすみなさい。笑」


「....おやすみ、」





入りづらかったけど、





鍵を開けて部屋に入った。







どう考えても好青年じゃんね....？





.

8→←6

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す