これって運命でしょ？

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駅に到着。




手は相変わらず繋がれたまま。




どうしたもんかな....。




「Aさん、バス乗り場どこですか？」




....ですよね。




こうなったら正直に言おう。




自分で撒いた種だ。




「....あれね、嘘なの」


「へ」


「....駅からバスで30分、てヤツ」


「え」


「....ごめんね？ホントは徒歩8分なの。
て事で送ってくれてありがとう！じゃ！」


「え！ちょっとAさんっ！」




一瞬緩んだ手を振り払って走り出したけど




「....っだめですよ！家まで送ります！」


「っ！」




....ものの数秒で捕まった。




やっぱり酔ってるのかな....。




「徒歩8分でもだめです。
その数分に何かあったらどうするんですか？」




ってなんでこの人こんなに真剣なの....？




「...でも、いつも大丈夫だし、」


「変質者がずーっと狙ってるかも
知れませんよ？」


「....この辺は比較的安全だし、」


「比較的、でしょ？」


「....そうだけど、」




なんで責められてるんだ....？




「とにかく、一人で大丈夫だから、」


「だめです」




ホントに強情ー！




「それともAさん、俺に家知られたら
なんかされるとか思ってます？」


「...え」




ぎくり。




ちょっぴり....思ってなくもない....かな。




「俺ストーカー行為なんてしませんよ？
信じて下さい」


「う...」




確かに、嘘を言ってるような眼力ではないけど、




「....だって、いくら職場の人って言ったって
今日が初対面だし、いきなり家まで送るって
言われたら普通は警戒するでしょ....」




その顔でなに言ってんだ、
って思われるかも知れないけど仕方ない。




私だって一応女だからね。




「....あ！それとも家に引きずり込まれて
襲われるとか思ってます！？」


「は？」


「そんな事も絶対しませんよ！？
頭の片隅にちょっぴり変な気持ちありますけど
絶対しません！」




....それ、危なくない？




さすがにそこまでは思ってなかったけど




今の一言で一気に警戒度上がったわ....！




「やっぱりここで結構です。
ありがとうございました」


「だめっ！」


「ちょ、っ」








なんでそんなに必死なのよーー！





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