これって運命でしょ？

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「Aさん大丈夫ですか....？」




さっきから時折、心配そうに私を覗き込む。




「....大丈夫」


「お酒強いんですね....？道間違えるけど。笑」




最後の一言は余計だよ。




たまたまなんだから。たまたま。




....ていうか、




気が付いたら腕じゃなくて手を繋がれてて




だけどなぜだか振り払えない私。




やっぱり酔ってるのかな....。




「....ね、キムテヒョン。
やっぱり一人で帰れるから、」


「ダメです。送ります」




....強情だな。




「ていうか、テヒョンって呼んで下さいってば」


「だから呼べないって、」


「呼んで下さい」


「無理です」


「Aさぁ〜ん....」




なんだそれ。




“可愛い”とか思っちゃったじゃん。




「そもそも、同じチームでもないんだから
名前で呼ぶ必要ないでしょ？」


「大アリですよ！
Aさんは俺の彼女になるんですから！笑」


「は？」




頭大丈夫ですか....？




夢を見るのも大概にしなさいよ....？




「誰がアンタの彼女になんか、」


「あれ、なりませんか？」


「なりませんっ」


「でもします。笑」


「は」




....この人訳わかんないんだけど。




「Aさんを俺の彼女にします。
絶対なってもらいますからね？笑」


「い、」




いやいやちょっと待ってアンタ何言ってんの？




「あのねぇ、」


「だってAさんは
俺の運命の人ですから。笑」


「は」




.....一回病院行く？




今日初めて顔合わせたのに“運命の人”、って。




「ちょっとキムテヒョン、」


「テヒョン、ですよ？笑」




いやいや、今はそこじゃないでしょ。




「....あのねテヒョン、」


「やった！Aさんが名前呼んでくれた！」




.....ダメだこりゃ。




いちいち言われるのが面倒だから
呼んだだけなのに。




ていうか、そんなに嬉しい....？




「どうでもいいけど、変な冗談言わないで」


「冗談じゃないです」


「っ」




ちょっと。




急に真剣モードにならないでよ。




「俺は至って真面目です。
Aさんが好きなんです」


「....でも、今日初めて顔合わせたのに、」


「誰かを好きになるのに時間は関係ありません。
俺は、ひと目で恋に落ちました」





....どうしよう。







こんな事言われたの初めてなんだけど。





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