ちょっと待って聞いてないっ！ 4

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「じょんぐくんお待たせ、行こう？」


「はい、って....なんかあったんですか？」


「なんにもないよ？」


「だってすごい騒ぎ、」


「なんでもないから、早く行こう？」


「ヌナ....？」




何があったかなんて




じょんぐくんに言えるわけがない。




ていうか、あんなに騒がれといて
じょんぐくんと帰るとか




きっと明日はこの事で大騒ぎかも.....。




「ねえ、ヌナ、」




小走りな私のあとから付いて来る
じょんぐくん。




ごめんね、明日から私のせいで
恥ずかしい思いするようになっちゃうかも。




「ヌナってば.....！」


「っ」




じょんぐくんに手を取られて立ち止まる。




「どうしたの.....？」


「だからなんでもないって、」


「じゃあなんで顔赤いの....？」


「え...」




顔、赤い....？




ていうかそうだよね。




2人にあんな事されたら誰だって、




「ここまで走ったから、」


「こんなの走ったうちに入らないし、
教室出て来た時から赤かったです」




ごまかしたいのに全然効かない......。




......もう、お願いだから見逃して。




「だけど別になんにもないから、」




そう言ったら




じょんぐくんはぎゅっと手を握り直して




「ヌナがそう言うなら、信じます」




そう言って歩き出した。




......どうしよう。




じょんぐくん、怒っちゃったかな？




だけど、言えないもん。




聞いたら、じょんぐくんだって
嫌な気持ちになるかも知れないし......。




「.....あんまり、妬かせないでください」


「え....？」




今、なんて言ったの......？




それきりじょんぐくんは
何も言わないまま昇降口まで降りるから




私から聞き直す事も出来ない。




聞いたところで答えてくれないかも知れないし。




私がそうしたみたいに。




「ヌナ、すぐ戻って来るから待っててください」


「え、いいよ、私あっちまで行くよ？」


「いいんです。待っててくださいね？笑」


「あ、じょんぐくん......！」




じょんぐくんはこの前と同じように




私を3年の昇降口まで連れて来てくれて




1年の昇降口に向かって校舎内を走ってった。




......でも、笑ってくれた。




怒ってないのかな。




怒ってないといいな......。





そんな事を考えながら







廊下を走って戻って来るじょんぐくんを待った。





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