拾われたボク 3

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「なんで......？」




突然謝られた意味がわからなくてそう聞いた。




「......ジミンくんを家に連れて行こうとしてる」


「そんなの....」




そんなの別に、なんて事ない。




僕だって、Aさんと一緒にいたいんだし。




「......何かあったの？」


「......家に行ってから話す」


「え、」




Aさんはそう言うと




僕の手を引っ張って足早に歩き出す。




今までずっと、無理に明るく振る舞ってたの？




そう思っちゃうほど




Aさんの顔から笑顔が消えた。




しかも、それっきり何も喋らないから




僕も黙ってるしかなくて。




......何かあったのはもう間違いない。




でも、何があったんだろう。




やだな......。




......すごく、気になる。




会話がない道のりは




足早に歩いたせいか意外にも短くて




あっという間に家に着くと




玄関に入るなり




Aさんは僕に抱き着いて来た。




駅前でそうしたように、ぎゅう、って。




「......Aさん、」


「....ぎゅってして」


「え....」




言われた通り、
Aさんをぎゅっと抱き締める。




「......もっと」


「もっと.....？」


「....うん」




......いいのかな。




今でも結構ぎゅってしてると思うんだけど......。




「早く、」


「あ....ごめ、」




僕が力を込める前に




Aさんの腕が僕をぎゅうってする。




だから僕も、もっと......ぎゅうってした。




何があったのかめっちゃ気になるけど




こうする事でAさんの心が落ち着くなら。




心配だけど仕方ない。




話してくれるまで待つしかない。




「ジミンくん、もっと......」




え、まだ......？





ホントに、どうしちゃったんだろう。






胸騒ぎを覚えながらも






これでも足りないなら、と思って






腰と背中の下の方にあった手を






片方だけ背中の上の方に動かして







僕にくっつけるように








これでもかってくらい、ぎゅうっと抱き締めた。





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