拾われたボク 3

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「Aちゃん......！」




会議終わり、トイレに寄ってから戻る途中




声を掛けられて振り返った。




「ソクジンくん、」


「おつかれ。会議？笑」


「うん、そう。睡魔と戦うのに必死だった。笑」


「それわかる。笑」




やっぱり......考えすぎかな。




「それにしても今日はよく会うね？」


「そうだね。珍しいよね。笑」




ソクジンくんの笑顔はいつも通り。




「俺の顔なんか付いてる....？笑」


「....え、や、目と鼻と口が、」


「Aちゃんホントは会議中寝てたでしょ？笑」


「え、寝てないよ....！」




ヤバい、見すぎちゃった......。




「Aちゃん...」


「ん？」


「......ちょっとだけでいいから時間ちょうだい？」


「ちょっとだけならいいけど.....
え、ちょ、ソクジンくん......っ？」




返事を聞くやいなや




私の手を掴んで歩き出したソクジンくん。




......なに？




連れて来られたのは、非常階段の踊り場。




「......ごめんね？やっぱり無理だ」


「なにが.....？っ、」




抱えていたファイルごと




ソクジンくんに抱き締められて




一瞬、なにが起きてるのかわからなかった。




......ジミンくんとは違う匂いと温もり。




「......ソクジンくんっ、」




腕の中でもがいたけど




「ごめん、ちょっとだけ......」




更に力が篭って




「......好きなんだ......」




聞こえるか聞こえないかの小さな声で




私の耳元で囁いた。




「......でも私、」


「......わかってる。だから、ごめん......」




どうして気が付いたのかわからないけど




ジミンくんが言ってた通りだった......。




ジミンくんは”気にしなければいい“って
言ったけど




本人から聞いちゃったら
そういう訳にもいかないよ.....。




「......ごめんね？Aちゃんには
ジミン君がいるのに...」




そう言うと、ソクジンくんはゆっくりと




私の身体を離してくれた。




「今まで通りで、いてくれる......？」


「.....うん、もちろん。笑」


「......ありがとう。
こんな事で時間取らせちゃって、ごめんね......？」




力なく笑うソクジンくんに胸が痛かったけど




......私にはどうにも出来ないから。




「.....ソクジンくん、」


「ん......？」


「....ありがとう。笑」





それだけ言うと






いつもの明るい笑顔を向けてくれた。





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