あ な た が ほ し い

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「......目、逸らすなよ」


「だって......」




やっぱりなんか、二人の間に流れる空気は
普通じゃない。




「また......ウチ来て」


「え....？」




なに......？




「......意味わかる？」


「......わからない」




ホソクくんが肩を落として、
盛大なため息を吐いた。




「......初めてじゃないよな？」


「え......何が？」


「お前......ふざけてる？」




あ、ヤバい......ブラックモード？




だって、ウチ来て、って......え？




「男、初めてじゃないだろ？」


「え、男....？って、え？」


「天然かよ......」




ホソクくんは唐揚げとご飯を
ごそっと口に入れた。




男......？初めて......？




「あ」




私がピンと来たのは




ホソクくんがひたすら咀嚼して
ごっくん、って飲み込んだのとほぼ同時だった。




「今更赤くなるなよな......」


「あ、いえ、ごめんなさい......」


「で、初めてじゃないだろ？」


「......はい」




なんだってそんな事......。




「初めてじゃないなら、
ウチ来る意味わかるだろ？」




だからなんで........




「あ」


「わかった？笑」




そういう、事......？




「え、や、なんで......？」


「また抱きたいと思ったから？」




なんで疑問形......？




ていうか、え、だ、抱き......？




「ホソクくんっ？」


「......なに？」


「私....っ、最初に言った....！」


「何を？」


「バカにしないで、って......！」


「してないよ？」


「だって......！」




だって、付き合ってもいないのに




それって......”そういう“友達って事じゃないの？




私はホソクくんが好きなのに、
そんなのやだよ......。




「......Aちゃんの事、もっと知りたいから」


「え......」


「一回だけじゃ全然わかんない」


「......でも、」


「それだけじゃダメ？」




ホソクくんてズルい。




「だったら、そういう方法じゃなくても、」


「アレが一番わかりやすいと思うけど？笑」


「っ、！」




一瞬、爽やかモードに騙されそうになったけど






結局、最後はブラックホソクくんが






ニヤっと意地悪く笑った。




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