あ な た が ほ し い

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「あ、A、今日の飲み会どうする？」




とりあえず広く浅くの友達関係の中で




そういう集まりに顔を出す事が多い私は




結構声を掛けてもらってる。




「んー、今日はテニスサークル....だっけ？」


「そう！私の友達が入ってて、
あのホソクくんも来るって言うから
今日は女の子多いと思うけど！」


「ふぅん....どうしよっかな」




私は別に




ホソクくんがいたら教えて！とか
頼んでるわけじゃない。




彼が人気者だから、誘ってくれる子の口から
自然と名前が出て来る。




私はただ、その情報を元に
参加するかしないか、決めてるだけ。




だけど、テニスサークルって
男子がチャラいって結構聞くし




あんな事があった後の飲み会だし。




ホソクくんとはあの後普通に喋ったけど




お酒の席だとな......なんか気まずい。




.....でも、ホソクくんには会いたいし。




飲まないように気を付ければいっか。




「どうする？」


「あ、うん。行く」


「わかった！じゃあまた後で連絡するね？」


「うん、よろしく」




......きっとまたひとりぼっちで
おもしろくないんだろうな。




唯一の楽しみは、ホソクくんに会える事だけ。




すみっこでおとなしくしてよう。





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予想通り、私を誘ってくれた友達は
早々とそのまた友達の所へ行っちゃって




私は奥のテーブルで一人......




というわけではなく、




少し離れた輪に入れずにいた。




......入るつもりもないけどね。




ホソクくんはと言えば




やっぱり、向こうの大きな輪の中心にいて




みんなと楽しそうに騒いでる。




「キミ、サークルの子じゃないよね？」


「え、」




少し離れた輪の中の男の子が




急に声を掛けてきてびっくりした。




「あ、はい....」


「誰の友達？」


「誰、って言うか......友達の、友達？」


「名前わかんないの？
ずいぶん遠い友達だね？笑」






爽やかそうな彼は、ニコッと笑った。





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