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「お待たせしました......」


「......おう」




エントランスの壁に凭れて
立ってたユンギさんは




ケータイに落としてた目線を
私に向ける。




「......行くぞ?」


「はい......」




ユンギさんは先に歩き出す。




何も言わずに、ただ歩いてる。




......昨日、私が言ったからかな。




会社出てすぐは、手を繋いだりはなし、って。




いろいろ言うわりに、
私の事も考えてくれてるユンギさん。




ユンギさんの、少しだけ猫背な背中を
見つめる。




駅までの道のり、私の存在を確かめるように
たまに振り返る。




私の姿を確認すると、
軽く微笑んではまた前を向く。




こんな小さな事が、すごく嬉しい。




私......どれだけユンギさんの事
好きになっちゃったんだろう。




......あんなに悩んでたのが嘘みたい。




駅に着くと、私が追い付くまで待ってくれて
一緒に改札を抜ける。




「......まだダメ?」


「え?」


「手」




ホームに上がると同時に手を差し出された。




........誰かに見られても、いいかな。




「......大丈夫、です」




差し出された手を、そっと握る。




「ん」


「っ、」




ユンギさんはぎゅっと握ると
自分の方へ引き寄せた。




「タメは......まだ?」


「......まだです」


「そっか......。笑」




照れくさくて、素直になれない私。




そんな私の指に、ユンギさんの指が絡まった。




「これくらい、いいだろ?」




せっかく鎮まってた胸が、




またうるさく騒ぎ出す。




「......赤くなんなよ、もう」




......ユンギさんが悪いんだよ、こんな。





電車がホームに滑り込んで来た時、






"我慢出来なくなんだろ"







そう聞こえた気がした。




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ナイトウルフ - にやにやしっぱなしでした...私の心臓も持たなかったです笑 素敵なお話をありがとうございます! (7月31日 14時) (レス) @page50 id: 9130adbc3c (このIDを非表示/違反報告)
lights* - とにかく面白かったです!登場人物皆いい人で、ほっこりとドキドキの繰り返しでした。私はユンギさんの推しなので幸せだし、主人公もピュアで純粋で可愛いなと思いました。笑 この小説に会えて幸せでした! (2021年1月23日 15時) (レス) id: 7e9621457d (このIDを非表示/違反報告)
sin9293a(プロフ) - この作品何回も見てるくらい大好きです!ユンギ主人公ちゃんのことが大好きでたまらない感じがほんとに可愛くて(*^^*)主人公ちゃんのピュアなところも可愛いくて(*^^*)終始きゅんきゅんでした! (2020年5月17日 2時) (レス) id: 61c91a405d (このIDを非表示/違反報告)
くみ - やばかった。砂糖のゆんぎ最高 (2019年12月3日 19時) (レス) id: 705676fa2c (このIDを非表示/違反報告)
美優(プロフ) - ユンギ…カッコよすぎる。この作品めっちゃ好き!!! (2019年10月1日 21時) (レス) id: 750796c939 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みんみん | 作成日時:2016年5月10日 12時

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