好きだって言っただろ？

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「さて、と。そろそろ帰るか？」




そう言われて腕時計に目をやると
もうすぐ11時だった。




「この時間ならまだ電車あんだろ？」


「......はい」




......ちゃんと考えてくれてるんだ。




結局あれから、何事もなかったかのように
飲み直して




何を喋る訳でもなかったけど




居心地は悪くなかった。




ちょっとだけだけど




ユンギさんを見る目も変わった。




........と思う。




「それにしても、あんなに飲んだのに
顔に出ねぇわ酔ってねぇわ、すげぇな。笑」




......そんな事はない。




ちょっぴりだけど酔ってるし。




「まあ、襲われる心配なくて安心だけど。笑」




......こんな女襲う物好きいないから。




「ユンギが襲ったらそれまでだけどな。笑」




......ナムジュンさん、笑えません。




「......襲うか、アホ」




......なんか、軽く傷付いた。




なんで......？




「......なに傷付いたような顔してんの？
襲って欲しかった？笑」


「......っ、そんな訳ないっ、です」


「まーた赤くなって......可愛いやつ」


「！」




ぼそっとそう言って、私の頭を撫でる。




......もうやだ。




口悪いくせにたまに甘いとか。




なんなのよ、もう。




「はいはい、お二人さん。
イチャつくなら外でやって。笑」


「違っ」


「へぇへぇ」




いや、へぇへぇじゃないし！




「ほら行くぞ。ナムジュンごちそうさん」


「おう、毎度。笑」


「あ......ナムジュンさん、ごちそうさまでした」


「どういたしまして。またおいで。笑」




ナムジュンさんに頭を下げて
ユンギさんを追いかける。




お会計、いつの間に済ませてたんだろ。




「......ユンギさんっ」






追い付いたユンギさんが振り返ったと同時に







......唇に、何かが触れた。






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