好きだって言っただろ？

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コンコン。




助手席の窓をノックする。




すると、内側から開くドア。




「どうぞ」


「......ありがとうございます」




こんな事にドキッとするとか。




......テヒョンのせいだ。




「......待たせちゃって、すみませんでした」


「そんなに待ってねぇから気にすんな。笑」




......優しい。




テヒョンとお喋りしちゃったから
30分以上待たせちゃったのに。




「......やっぱり、化粧してきたんだ。笑」




私の顔を覗き込むユンギさん。




「........っ、そりゃ、そうですよ。
出掛けるのにノーメイクとか有り得ません」


「そうかぁ？すっぴん可愛かったのに」




そう言いながらエンジンを掛ける。




......やめて欲しい。




胸がドキドキとうるさい。




「なに赤くなってんだよ。笑」


「......なってません」




......どこ行くかわからないけど、
狭い個室に二人きりとか耐えられそうにない。




あ、ユンギさんの車が狭い、って意味じゃ......




..........どうでもいいでしょ、そんな事。




もう、自分で自分がわからない。




「........テヒョン、大丈夫だったか？」


「大丈夫です......ていうかすみません。
お世話になったのにあんな態度で」




テヒョンはああ言ってたけど、
失礼な事に変わりはない。




「いや？アイツ可愛いじゃん？
俺は好きだけど？」




"好き"とか"可愛い"、って単語に反応するとか




......どうかしてる。




「.......テヒョンの事言ったんだけど。笑」


「え」


「また赤くなってる。笑」




......ユンギさん、前向いてるんじゃないの？





「もちろん、お前の事も好きだけど」






......どれだけ私を赤くさせるのよ。




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