好きだって言っただろ？

18 ページ18

.



ユンギさんは"美味い"って
たくさん食べてくれた。




もちろん野菜は使い切れないから、
ブロッコリーとか茹でられるものは茹でて
全部タッパーに入れた。




こういうタッパーとか、
お母さんが用意したんだろうな。




料理しないって言うわりに
なんでもあってびっくりした。




「大根のサラダも冷蔵庫に入ってますから、
早めに食べて下さいね」




トマト煮込みもハンバーグもどきも
温めれば食べられるようにしてある事を
後片付けしながら伝える。




「お前、結構しっかりしてんだな。笑」


「......ありがとうございます」


「ん、ごちそうさん」




......照れる。




だって、家族以外にゴハン作ったり
褒められた事がない。




ましてや、男の人になんて。




「......また作ってよ」




お皿を拭きながら、ユンギさんがぼそっと言う。




「え、」


「やだ？」


「え......っと、」




やだ、って言うか、
またここに来るって事だよね？




「彼女でもないのに、とか思ってねぇ？」




......その通りです。




「早く彼女になりゃあいいんだよ。笑」




また......そんな事言って。




「言っとくけど、ここに女上げたの
お前が初めてだから」


「え」


「......んだよ、まだ噂信じてんの？笑」


「あ、いえ、」




やっぱり......噂は噂？




「神に誓ってもそんな事してねぇから。
いい加減俺の言う事信じろよ。笑」




ユンギさんを......信じてみようかな。




......だって、悪い人じゃない。




「お前の事、好きだって言っただろ？」


「え」


「信じろ......な？笑」





目が合ったユンギさんは






優しい顔して笑ってた。





.

19→←17

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す