好きだって言っただろ？

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「何そんな端に座ってんだよ。笑」




後ろから声がして振り返ると




デニムにパーカーっていう
ラフなカッコのユンギさんがいた。




......カッコいいとか思っちゃった。




「じゃあA、こっち来て」




言われるまま付いてった先は
なぜかキッチン。




......カウンターキッチンとか、オシャレ。




カウンターの下に置いてあった段ボールを
テーブルの上にドサッと置く。




「......これ、なんとかしてくんねぇ？」


「え」




段ボールの中には、
主に野菜がたくさん入ってた。




「......これ、」


「料理しねぇしいらねぇっつってんのに
実家から送ってくんだよ」




......すごい。




じゃがいもとかにんじんもそうだけど、
大根とか立派なのがドーンと入ってる。




「料理、しないんですか？」


「するわけねぇだろ」




まあ、想像できませんけど。




「て事でなんか作って」


「へ」


「作れんだろ？」


「や、あの、」


「一応鍋とか一式あるから、好きに使って」




......拒否権はないんですね。




「......冷蔵庫とか、見てもいいですか？」


「おう、なんも入ってねぇけどな。笑」


「......はあ、」




とか言って、冷蔵庫には卵とか牛乳とか
......お肉まである。




「そう言えば......あ、そうそう。見つけた？肉。
それも送って来たヤツだから使って」


「はい......」




......逆に食材が多すぎて困る。




「あの、ユンギさん？」


「ん？」


「好き嫌い、ありますか？」


「ない」




......そうですか。




仕方ない。作るしかないね、これ。




コートを脱いで、手を洗って、
適当に野菜をキッチンへ運ぶ。




「......どうしようかな」




悩み始めた時、




「A」





名前を呼ばれて、
後ろからユンギさんの腕が回ってきた。





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