好きだって言っただろ？

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「なあ、聞いてる？」


「......聞いてません」


「なんでだよ」




......それはアナタが軽いからです。




同じ課の先輩、ミン・ユンギ。




「こんなに真剣に告白してんのにか？」




......それが信じられない、って言ってるの。




自分のカップを洗いに来た給湯室。




不意に現れたと思ったら




給湯室の出入り口を塞ぐように手をついて




「お前が好きなんだ」




とかのたまった。




口数そんなに多くないし口悪いのに、
チャラい見た目のせいか女子社員に大人気。




や......実際チャラいのか？




モテてるだけならいいんだけど
女の子取っ替え引っ替えしてるって噂があって。




........あくまでも噂だけど。




だから、そんな人に"好き"って言われても




信じられる訳がない。




第一、私なんかのどこがいいんだか。




外見は人並みだと思うけど




女にしては無口だし、
そもそも人前で笑わない。




もちろん、電話では喋るし愛想もよくするけど
それは仕事だから。




仕事と言っても社員相手だったら
全くその逆。




社員に愛想振りまいてどうするの。




仕事さえきちんとしてれば問題ない。




そんな程度のつまらない女なのに。




「俺の事嫌い？」


「別に......嫌いではないですけど」




そう、別に嫌いではない。




......苦手なだけ。




「だったら俺の事考えろよ」




......ニヤッと笑う、綺麗な顔。




「だからって、好きでもないんですから
考えません」


「......はあ、お前結構強情だね」




なんとでも言え。




「だから、そこを考えろっつってんだよ」




......何様だ、ホント。




蛇口をきゅっと捻る。




「もう行くんで、どいて下さい」


「おい......A、」




......名前、勝手に呼び捨てしないでよ。





「......どうしたら信じる？」






私の腕を掴んだユンギさんは、
意外にも真剣な顔してた。





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