彼はクールなんです。

＊テニス ページ14

エルと夜神月くんはどうやらテニスで勝負するらしい。




エルがコートへ向かうと



周りの子もみんなつられて二人についていく。



私も途中までついていった。




けど、外に出るなりもっともっと
たくさんの女の子たち。





エルと夜神月くんは


かわいらしい女の子たちみんなに囲まれて…







悔しいっ。


見てらんないっ。




だって



エルの彼女



私だもん。





ってなった私はエルの元を離れて




一人、ベンチに座った。





みないもんね。



みないもんね。



エルのテニス姿なんて



見たく…



ないし？




うわ、私



不貞腐れてるだけじゃん。




ﾓﾔﾓﾔ考えてるうちにどうやら、


試合は


終わってたらしい。




私が聞こえたのは




「月の勝ち」



と言う声だった。




急いでコートのところへ向かった。




私が気にしてたのは



エルが本当の名前を教えるのか。

って。



それが不安だった。





エルは夜神月くんと握手をした後



小さな声で耳元で何か言ったらしかった。





コートから出たエルは


「少し待ってて下さい」


と私に囁き、



夜神月くんとどこかへ行った。







二人がいなくなると




女の子たちもｿﾞﾛｿﾞﾛとその場を離れた。



何事もなかったかのようにテニスコートは誰もいなくなった




暑い日差しだけが地面に反射していた。

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