特別な私の皇帝5【野坂悠馬】 (ページ6)

今日:5 hit、昨日:3 hit、合計:15,095 hit

本当のブラジルページ6

後半が始まって、早速反則プレイをする。実際にはやってないけど。

反則プレイはフリで、ブラジルに自分たちがやってることの愚かさを教えて正々堂々とサッカーをしてもらうのが目的。

選手が転んだ時に水神矢と剛陣さんで自分たちがやったように見せかける。

水神矢はなんかを取り出してくわえる。あれで転ばせたって感じたはず。

他にはアツヤがスパイクに仕掛けをしてるように、灰崎が液体の入ったビンを見せて滑らせたように見せたり。

アツヤはついでに点を入れた。これで同点。

最後は氷浦と稲森がゴムでボールを引き寄せたように見せて稲森がシュート。

シュートは曲がって、稲森は滑り止めを見せた。

これでだいたいの反則プレイ見せかけが終わった。後はブラジルが気持ちを切り替えてくれれば。

監督が選手交代を言った。西蔭と円堂さんを交代するって言った。交代まであと5分くらい。

「Aさーん出番ですよ」

『はい』

「まだ治ってないんじゃ…大丈夫なんですか？」

杏奈が心配した。

『監督がどうにかしてくれるから大丈夫』

「ではいきますよ？析谷くん、お手伝いを」

「よーし」

監督と析谷さんが色々やり始めた。ほとんど殴られてる感じだからめっちゃ痛いけど。

「終わりました。これで試合が終わるまではもつでしょう。でも忘れないでください。効果が切れたら2日間寝たきり。それ以外影響はありませんが」

『分かってますって』

そこで監督は交代を知らせた。西蔭と円堂さん、アツヤと私。

「もう交代かよ」

『頑張るから。アツヤがいなくても大丈夫なくらい』

私はフィールドに出た。特に痛みは感じないからこれならいけそう。

緊張しながらも深呼吸して落ち着かせた。

この試合、勝てるようにしなきゃだ。

キックオフでブラジルの動きがさっきと全然違うものになった。最初にやったほんとにすごいテクニック。

これが本当のサッカーで本当のブラジル。勝ちたいって気持ちが抑えられない。

イナズマジャパンが相手にならないようなあの動き。誰一人かなわずにゴール前。

ミゲルがシュート体制に入った。けど、急に後ろにパス。

アルトゥールがいた。

『ヤバイ、間に合わない！』

アルトゥールはすぐに必殺技をうった。