特別な私の皇帝3【野坂悠馬】 (ページ31)

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助言ページ31

「じゃあなんだよ。お前はここで死ぬのか？」

『それでもいい気がしてしょうがない』

ほんとにそう。イナズマジャパンにいてもこんなんじゃ足引っ張るだけ。

「お前はほんと最低だな。普通がいいだとか死んでもいいだとか」

『灰崎は私みたいになってないからそんなこと言える！』

「別視点からの感想だと思え！
もしお前が死んだらどうなる？」

『燃やされる』

「バカかよ！
お前が死んだら悲しむヤツが出る。野坂なんて、自分まで死ぬぞ」

『死なないように言っといて』

「いつまでそうやって後ろ向きでいんだよ！前だってイナズマジャパンにいていいかとか聞き回って心配ばっかかけやがって！」

『本気だから』

こうなったら無理。前向きなんかなれない。

「確かにお前はそうやって生活した。けどな、宮谷にはまだ仲間がいるだろ。仲間が必要としてんのに死んで逃げるなんて、裏切るようなもんだろ」

『もう無理なんだってば！すっごく楽しくても、みんなと一緒にいれても、違いがある！親とか家族とかいるかいないか！』

「まだ気づかねえのかよ！？野坂だって耐えてんだろ！宮谷はそれもできなくて、必要とするやつの気持ちを考えてねえ！
俺たちが必要としてることに気づけ！」

飛行機だからと聞かれたくないからでめっちゃ小声では言ってるけど、怒ってる。

『気づいても実感あってもどうしようもない！』

「どうせ俺が言ったって意味ねえんだろ？けど、仲間だとは思ってるから、聞いてやった。
自分では嫌だとしてもこっちのこと考えろ！」

「…もういい。止められなくたっていい。言いたいことは言った」

灰崎の言ったことはちゃんと刺さった。けど、少しはまだ無理な気持ちは残ってる。辛いのは絶対消えないから。

けど…

『ありがと、灰崎。楽にはなった』

必要としてくれる仲間がいるなら、まだ頑張らなきゃいけない。

「やっとかよ」

本当は嬉しかった。