大好きの意味 ページ25
「？」「…」
タツヤは分かってなくて、ヒロトは目線だけ外してる。
この反応で昔と同じだな、って思う。
タツヤは純粋っていうか、鈍感だけど真っ直ぐ。
昔はヒロトと私がサッカーにどう思ってるのか知らずにフットボールフロンティアに出たいって言ってた。
そんな感じで、私がどう思って今言葉を言ったのか分かってない。
ヒロトは素直じゃないけど、本当は良く思ってるはず。
フットボールフロンティアに興味ないって言ったけど、すっごく意識してたし、そこからタツヤの印象が変わった。
本当は分かってるけど、認めるのをそう簡単にしたくない、って思ってる。
『タツヤは分かってないみたいだけど、別にいい。
昔お日さま園で過ごしたほんとに少しの日々。』
『覚えてるのなんてあの時のだけだけど、2人がいたから、今が楽しい。こう思えるのも、2人のおかげ。
だから、大好き』
「…俺はタツヤがいなかったら何も変わってなかった。Aがいたから、とかはねえけど、3人でっていうのも悪くねえ」
『遠回しにしないで素直に言えばいいじゃん』
「お前だってお見通ししてんじゃねえか。
…3人でいるのは好きだ」
『はい、タツヤも。理解した？』
タツヤは理解するまでが長い気がする。それが鈍感だけど。
「ヒロトとAがいて、サッカーをただやるんじゃなくて、3人で出ようって言ってくれて嬉しかった。叶わなった願いを世界で叶える。俺も、2人がいて本当に良かったと思う。
好きだよ」
『おっけー。
次こそは3人で世界相手に戦おうね！』
「てかなんだよ今のは。言わせか？」
『自分でも言ってたから言わせじゃない。本音』
「でも、ありがとう。Aがこんなことするとは思わなかった」
『タツヤが敬語のレッスンしてなかったらこんなこと言ってない』
「これも野坂のおかげだね」
のんびり話せるのもあと少しの間。ロシアに行ったら、練習しなくちゃいけない。
野坂とは違った好きの2人と、同じフィールドに立ちたいから。
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亜風炉照美
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