久しぶりの会話 ページ22
そーこーかいから数日後、アジア予選は日本だったけど、次はロシアで開催。行くためには飛行機。監督はとこう手続きがあるらしく、その間は休み。
２日後だし、休みの間は学校に帰れるって。王帝月ノ宮はサッカー部なくなったけど、どうしてるのか。
『野坂！ごめんって！』
「僕と行きたくないの？」
めっちゃ怒ってる。理由は、王帝月ノ宮に行くんじゃなくて、永世に行くから。
『西蔭、どうにかして！』
「そう言われましても…Aさんが王帝月ノ宮に行けばいいのでは？」
『西蔭に言うんじゃなかった…。
だから野坂、野坂と行くのが嫌なんじゃなくて、頼まれたの。タツヤが永世に来て欲しいって』
「それは僕が嫌だから？」
『なんでそうなるの！いいじゃん、休みはまだあるんだから！別の日になんかすれば…』
「なら、条件付きでだね」
急に怒るのをやめた野坂。またハメられた…。
『分かったよ、どっか行けばいいんでしょ！なら明日、なんか！』
野坂はやっぱりこういうのが得意。普通に言ってくれた方が嬉しいのに…。
「…で、なんでコイツもいるんだよ？」
永世学園に向かう時に集まったら、ヒロトに言われた。まぁ、そりゃそうだけど。
『知らない。タツヤに聞いて』
知ってるけど。
「ごめんね、A…。
ヒロト、俺が誘ったんだ。王帝月ノ宮出身でも、元はお日さま園で育った。父さんだって、会いたいだろうし」
『なるほど。前行ったときは…私が悪い』
「行ったことあったのか？」
『ある。すぐ帰ったけど』
「あん時の性格じゃ無理だよな」
また分かってる。ヒロトはすぐ分かるな。
「みんな覚えてないかもしれないけど…1度は過ごした仲間だから」
『野坂には条件付きで許してもらったから安心してね』
「条件ってだけで安心できないな」
『言わなくていい！』
「はは…」
こうやって3人でゆっくり話せることとかあんまりない。昔の時みたいになってるのかもしれない。
「そういや、3人で試合出たことなくね？」
『確かに。私はウズベキスタン戦まで出てないし。前半2人出てたけど、私は走らされた。後半入ったけど、タツヤが交代』
「サウジアラビア戦は俺がでてなくて、中国戦はAが出てなかった。ヒロトも途中で交代だったからな」
「Aが野坂が来るまで出ないとか言わなければ良かったんだよ。わがまま言いやがって」
2人がいて、ほんとに良かった。
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亜風炉照美
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