特別な私の皇帝【野坂悠馬】 (ページ10)

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開会式ページ10

当日。

会場はうるさいくらいに盛り上がっている。

「良かった。Aちゃんが来てくれて」

『お前につれてかれてとか最悪だからな。仕方なくだ』

最初に永世学園が入場。インタビューの映像が流れて、キャプテンの基山タツヤとエースの吉良ヒロトが映る。

吉良ヒロトは聞いてもいないことを言って、途中でカットされてた。

次は世宇子、その次は白恋。

白恋キャプテン吹雪士郎がフットボールフロンティア本選の意気込みを答えた。

次は雷門。

雷門は去年のフットボールフロンティア優勝校らしいが、伊那国島の田舎から来たやつら。何であんなやつらが本選出場？

しかもインタビューでキャプテンが緊張する、他のやつが知らずに映る、最後には全員が出たし、何なんだ？

星章学園はランキング1位で、フィールドの悪魔とか呼ばれてる灰崎凌兵がインタビューを受けたけど、何もせず帰った。

そして私たち王帝月ノ宮。私は一番後ろで入場した。

「僕たちは自分たちが持つ普段通りの力を出しているだけです。別に変わったことは何もしていません」

野坂のインタビュー映像が流れた。

「僕たちのプレーではアレスの天秤がいかに素晴らしいか分かっていただけるでしょう。人がよりたかいパフォーマンスを出すことによって良き方向へ社会を変える。人の歴史を変えることになるでしょう。僕たちはそれを証明するために力をつくしているのです」

前もそうだったが、野坂の言っていることは一心に願って伝えてる気がする。野坂は本当に社会のことを、未来のことを考えている。

最後に利根川東泉中が入場した。

「僕たちはスポーツマンシップに乗っとり、正々堂々と戦うことを誓います」

野坂が宣誓をして、開会式は終わった。

『野坂は優しいな…』

一人になったとき、前にも言ったような言葉がこぼれた。