特別な私の皇帝【野坂悠馬】 (ページ48)

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デート1 ページ48

数日後。

野坂がお詫びでデートする、とか言ったけど、お詫びになってねーだろ…。

まぁ、行きたかった…、からいいけど。

何するかは知らない。別にどこでもいいし、行きたいとこもない。

野坂のとこに行くと、服装がいつもと違ってた。いつもは適当だが、今日は薄い上着着て、服が長い…なんていうのか知らねぇけど、丸みのないワンピースてきなやつ。

「Aちゃんも服変えたんだ？かわいいよ」

会ってそうそう言う言葉がそれかよ！？パニック起きそうだ…。

服とかどうでもいい。でもせっかくだからって、おしゃれそーなやつ選んだ。チェックのシャツに深い緑色のごわごわしたジャケット、スカートを長くしたみたいな膝下ズボン。

おしゃれか、って聞かれても分かんねぇし、普段着ないやつにした。

『いいからはやく行くぞ』

雰囲気に耐えれず、野坂をさっさと引いてった。

最初に来たのはカフェ。こういうとこ来たことないからなんか新鮮だ。

「好きなもの頼んでいいよ」

メニューを見るとめっちゃ種類ある。高いか安いか、よく分かんねぇな。

『コーヒーとチョコパフェにする』

２つで1,500円。高い気がしてきた。

「お金は気にしなくていいよ」

野坂の持ち金がどうなってんのか、予想はつかない。

野坂はスイカの形したケーキとスイカのゼリージュースを頼んでた。意外とかわいいもいの好きか？

『なんだそのスイカ…』

「スイカが好きなんだ。
はい」

一言言うと、ケーキを私に食べさせる。

『さすがに味はできねぇよな。赤はイチゴで緑は抹茶、黒がゴマか』

合わなそうで意外と合う。見た目と味が違うって、カフェのメニューはなんでもありか。

野坂は満足そうにケーキを食べてる。味は気にしてないのか。

私はとりあえずコーヒーに砂糖を入れる。砂糖だけ入れた甘いやつが好きだった。

「5袋も使ったんだ」

普通だとは思う(私の中でだけ)。少し飲むが、やっぱこんくらいがいい。

「僕にも」

そう言ったと思ったら、キスしてきた。

『お前…！』

ひどいことにこのカフェは個室だから野坂を止めれない。

舌を入れてきた。これが一番ダメだ。気持ちをコントロールできねぇんだよ…。

しばらくこの状態。やっと終わったと思えば。

「ごちそうさま。美味しかった」

恥ずかしさが押さえきれない。なんで堂々とそういうこと言えんだ…。