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“特別な皇帝” ページ45
後半直前のベンチ。野坂が全員に声を出した。
野坂の言葉一つ一つに思いが込められてる。そんな気がして、聞いてても耳に入ってこなかった。
イレブンがフィールドに向かった直後、野坂はまた苦しそうにした。
そこで西蔭が声をかける。やっぱこいつらは出会ったときからの縁ってやつがあんだな。
「…それでも、あんたは俺のヒーローだ」
野坂に対する西蔭の気持ち。ヒーローって言ったからには、西蔭が変えられた存在だってことが分かった。
「Aちゃん」
西蔭を先に送りだし、私が呼ばれた。
「Aちゃんも、西蔭と同じくらい感謝してる。ずっと惹かれてきたからね。
だけど、西蔭とは違って、何か“特別”なんだ」
真剣な口調で話してく。
『やっぱ野坂にはかなわねぇな。
私も、野坂だけは“特別“。言うなら、“特別な皇帝”』
前から薄々感じてた。特別だってのは分かってたけど、こんな風に思ったのは最近だ。
「ありがとう」
そっと触れた。
『お前〜…！場所考えろって！ばれんだろ！？』
めっちゃばれたくない。西蔭だけならまだいいとして、世間にしれわたったりしたらどうすんだ…。
「じゃあ試合が終わったら。
行こう」
さりげなく試合後なんかある的なこと言ってんし。
“特別な皇帝”ってのはもう正解だ。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
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