特別な私の皇帝【野坂悠馬】 (ページ41)

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決勝戦ページ41

そしていよいよ雷門。これが決勝だ。

この試合の結果で、私のこれからが絶対変わるはず。

「この試合が終わったら、僕たちは自由だ。絶対に勝とう！」

控えの部屋で野坂が全員に、勝ったらアレスの天秤を抜けることを伝えた。

「うっ、うっ…」

私が部屋を出ようとしたとき、野坂が苦しみ始めた。

『野坂！』

すぐ駆け寄る。

『試合で無理すんじゃねぇぞ…。私は野坂がいないとダメなんだから』

「はぁ、はぁ…、大丈夫さ…。Aちゃんに心配なんてかけられないから
…」

『お前は…』

もうそろそろヤバイってのになんでこんな頑張れる…？

「さ、行こう。
Aちゃんの必殺技完成したんだし、決めてね」

知ってたのか。

『この試合が終わったら、どっか行こうな…』

あとちょっとしかねぇんだから…。

「いいよ。今まで行ったことなかったしね」

ドアを開けると西蔭がいた。

「野坂さん、宮谷さんと…」

やっべ…。今の会話聞かれたのかよ…。

「そうだけど。問題ないでしょ？」

何言ってんだよ、おい！？

「俺はずっとついてきたのに…」

「僕は西蔭がいたからここまでやってこれた。僕はAちゃんが好きだったけど、西蔭はこれからもいてくれると思ってる」

「俺はアンタに惚れた。これからもついていきます」

野坂のせいでばれたけど、西蔭が落ち着いたからいいか…。

私はまたベンチスタート。嵐のやつ、ほんと意味分かんねぇし！まぁグリッドオメガできないから結局出れねぇけど。

ピッー

ホイッスルで試合が始まったことに気づく。そういえば灰崎が雷門に入ったんだったな。

「グリッドオメガ、フェーズ1！」

早速グリッドオメガだ。こっちの方がすぐ終わるから楽だけど。

けど灰崎に止められた。

もう一度使って雷門が全員動けなくなり、野坂が余裕でシュート。1点が決まった。

棄権するかと思いきや、雷門は誰一人ベンチにいかず、立ち上がった。

灰崎があのとき受けたことを覚えてて、弱点がばれたのか。データの可能性もあるっちゃあるけど。

あいつら、もしかしたら勝つかもな。

ギラギラ輝いてる太陽のようなイレブンが。