特別な私の皇帝【野坂悠馬】 (ページ37)

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お詫びのページ37

『ダメ！絶対ダメだから！前も言ったろ！』

「断る権利はない、って言ったよね？」

『いや、それでもダメだっつーの！何お詫びすんのか先に言えよ！』

「Aちゃん聞かなかったでしょ？僕は悪くないよ」

これするしかないのかよ！？

『あー、もうっ！
…けど、野坂からしろ。私は…野坂に…してもらいたい…』

絶対野坂に勝てない。なんでこんな野坂に弱いんだ…。

「ありがとう」

一瞬笑顔になったように見えた。

そして野坂はさっきみたいに壁に押し付け、そっとキスする。

初めての感覚。

ダメだ…、全身が熱くなる…。

戸惑いが止まんない。今まで拒んでたキスを今してることに。

野坂はなかなかやめようとしない。1回やめたら私がもう絶対しないのを分かってるからか。

一分を越える長いキスをようやくやめた野坂。

『…これでいいんだろ』

「うん。
Aちゃん顔が真っ赤だったよ」

『お前～…！せっかくさせてやったのになんでそんなこと言うんだよ！』

「…かわいかった」

サラッと言うけど私はおかしくなりそうなくらい混乱してる。

『くっ～…。
もうさせねぇから！』

「そう言ってまたするでしょ？Aちゃんってばいつもそうだから」

『今度こそしない！』

こうやっていやがってるけど、本当はいやじゃない…。

全然飽きないんだ…。言えるわけねぇけど。

いつまでこうして付き合ってられんのか。野坂はもうヤバイってのに。

『やっぱり…、してやるよ…。
野坂がいついなくなるか分かんねぇから』

「そんなこと言われたらずっとしちゃうよ？」

この時間が止まればいいのに。野坂の脳腫瘍が進まずにいればいいのに。

初めてこんなこと思った。