特別な私の皇帝【野坂悠馬】 (ページ28)

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永世学園ページ28

『野坂、入る…』

部屋を開けた瞬間ビックリした。

『おい！大丈夫か！？』

野坂は頭を抱えて苦しんでる。

「Aちゃん…。大、丈夫だよ…。うぁっ…」

『野坂…』

心配で野坂に抱きつく。

『苦しむなよ…。お前がいなきゃ、私は何もできねぇんだ…』

「…ありがとう」

野坂は薬を飲んで落ち着いたが、離れられない。私はどんだけ野坂に弱いのか…。

「Aちゃん、それで何かあったの？」

『…あぁ。私が移ったとこ分かったんだ。前言ってただろ？移ったからアレスの天秤が受けられなかったって』

「どこだった？」

『お日さま園だってさ。
そこのやつ…、名前聞くの忘れたけど、私が受けたら失敗してたとか言ってた。未完成だったから』

「確かにあのときは未完成だった。その引き取った人はアレスの天秤を知ってたんだね。
いつ会ったの？」

『さっき。嵐が買い物頼んできやがって、…迷子、なって、帰りにタツヤ、ってやつがついてこいって言って、それでお日さま園行って、会った』

「Aちゃんが迷子？へぇ、そんなことあるんだ」

『あームカつく…。言わなきゃよかった』

とか言ったけど、まだ野坂からは離れられない。いなくなるのが怖いんだ…。

「あと、タツヤって、永世学園の基山タツヤだよね？」

永世学園？どこだよそれ。

『基山タツヤだけど、永世学園ってどこ？』

「次雷門が戦うところだよ。前開会式で見てたのに忘れちゃった？今度試合見に行くからAちゃんもね」

『はぁ…、まぁいいか。ほんとにタツヤか知らないし』

いたっけ？んー…。

あ、途中でカットされたやつのとこだっけな？覚えてねぇよ。

「そうだ。基山タツヤくんは名前呼びなんだね？」

あ…。これ怒ってる？

『なんかしっくり来たから。
野坂は野坂の方がいい』

名前呼びは違和感感じる。気のせいかもだけど。

「Aちゃんに名前で呼んでほしいけどな…」

しょんぼりしてるし。そんな呼んでほしいものかよ？

『まだダメだ。いつか…呼ぶかもな』

呼ばなさそう。いつかは来るのか…。