特別な私の皇帝【野坂悠馬】 (ページ12)

今日:60 hit、昨日:3 hit、合計:92,973 hit

竹見、野坂、西蔭ページ12

「そんなことは俺の知ったことじゃない！
野坂くんは何も感じないの？もっっといろんなことをやりたくないの？サッカー以外の遊びをしたり、ゲームをしたり、好きな子と…、デートをしたり…」

「デート？」

「正直言うと、俺、会いたい人がいるんだ。だから、こんなとこにいたくないんだ」

「会いたい人？君はその子のことが好きなのかい？」

「そうだよ、好きだ。彼女と会いたいんだ。なんていうか、死ぬほど会いたいんだ」

「死ぬほど会いたい？
へぇ、でもおかしな言い方だよ。死んだら会えない」

「くっ…」

「そうだよね？」

竹見のいいわけに野坂が対応して、やっと竹見は何も言わなくなった。

「行っていいよ」

野坂が竹見を開放した。

「え…？」

竹見はすぐに出ていった。

「どういうつもりですか、野坂さん」

「彼はもう使いものにならない。僕はそう判断した。ここにいても同じだ」

竹見については終わったから部屋に戻ろうとしたら野坂に止められた。

「さっきはありがとう」

『何が？お礼言われるようなことしてねぇけど』

「Aちゃんが言ってくれたでしょ？僕たちのしてきたこととか」

『…思ったこと言っただけだ。竹見がうるさかっただけ』

「それでも僕たちの味方になってくれたよ。
僕は行くところがあるから、じゃあね」

野坂はどこ行く気だ？別に私が気にすることじゃないし、理由もない。なのに、知りたくなる。

『あいつに聞くか…』

「何でしょうか、宮谷さん」

西蔭のところに行った。西蔭なら野坂のこと知ってるだろ。

『聞きたいことがある。
野坂はどこに行った？』

「雷門中ですが…、どうしてそんなことを？」

『い、いいだろ別に！』

雷門中、ねぇ…。開会式も始まってなく、雷門なんて関係ない。

野坂は何であんなやつらのとこに行った？