特別な私の皇帝【野坂悠馬】 (ページ11)

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竹見とアレスの天秤ページ11

開会式より前の日。

竹見とかいうやつがもめて、集まらされた。

『なんで私も行かなきゃなんねぇんだ…』

野坂に呼び出しをくらった。

「Aちゃんだって王帝月ノ宮サッカー部の一員だよ。来てもらわないと」

部員全員がいた。

「君は自分がやったことの重大さを分かっていないようだ」

「ただ自由になりたかっただけだ。何が悪い！」

竹見が文句を言ってる。

「アレスの天秤は人の育成を完全に管理するシステムなんだよ。君がやるべきことを決めるのは君じゃない」

「俺のやることは俺が決める！システムに決められるなんて、耐えられるかよ！」

竹見がアレスの天秤に従わないってことを問題に部員らを呼び出したのか。…でもなんかムカつく。

「チャンスをやる。今ならまだ目をつぶってもいい。僕だって上には報告したくないよ。心を入れ替えて、チームのために力を尽くしてくれるかぎり」

「嫌だ！俺は漫画だって読みたいし、テレビだってみたい。アレスプログラムで全てを禁じられるなんて、もうたくさ…」

『わがまま言ってんじゃねぇ！』

竹見にムカついてると思ったら言葉をぶつけていた。

『ここにいるやつらみんな我慢してきたんだろ？ならお前だけ何でもしていいなんてダメに決まってんだろ！
さっきからわがままばっか言って、こいつらの苦労は何だよ？お前だけ楽して抜け出す気かよ？』

「そ、そんなこと言わないでよ！宮谷ちゃんは何？アレスの天秤を受けたことないのに何でそんなこと言えるの？」

『分かるだろ普通！野坂が言ったこと聞いてれば！アレスの天秤が管理してて、それでこんな強いチームになるんだ！苦労したはずだろ！なのにお前のせいで崩れるんだよ！』

「Aちゃん、そこまで」

野坂が遮った。

「Aちゃんが言ったことが正しいよ。
そんな小さなことのために、君は全てを失うつもりかい？僕たちは未来を背負っている。僕たちが結果を出せば、世界は変わるんだ」

「どう変わるって言うんだ！」

まだ抵抗しようとする竹見にムカついてしょうがない。

「人の等脳と精神の進歩はあらゆることを変える。多くの技術革新が世界の経済を変える。医療はさらに進化し、多くの難病で苦しむ人の命を救う。有能な政治家たちは戦争という労費をなくし、人の憎しみも消えることだろう」

西蔭が説明した。

「アレスの天秤は世界を変える。僕たちはこの手で世界を変えるんだよ」