【テニスの王子様】向日葵はいつも私を見ている (ページ10)

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玖輪目ページ10

現実はあまりにも非情である。

一年C組。ドキドキの席替えイベント。

この席替えというイベントで、好きな人と隣になることを祈ったり、逆に嫌いな奴と隣にならないことを祈ったりするだろう。

私は圧倒的後者の人間だ。

別に好きな人なんか居ない。この先も当分出来ないと思う。

だがしかし、絶対になりたくない奴はいる。

そう、学級会の松崎である。

学級会以降から、私のお昼のプリンを取ったり、シャーペンの芯をバッキバキに折ってきたり、様々な小学生レベルのいたずらをされてきた。

そんな松崎と一緒になりたくないと願ってたら、いつの間にか席が決まってた。

結果は皆さんお察しの通り、松崎でした。

席替えは月一イベントだから、一ヶ月コイツと過ごさなければ行けないと考えると、嫌な気分しかしない。

｢隣Aかー！欲を言えば谷さんが良かったかなぁ…。豊満なお胸をお持ちの御方だし…(ﾎﾞｿｯ)｣

はい死刑。

｢悪かったですね〜豊満なお胸を持ってなくて。｣

｢ｹﾞｯ!聞こえてたのかよ…。｣

聞こえてたわ。

｢おいおいそれよりさぁ〜。AってI組の夏木陽葵ちゃんと仲良いよな……。そこで頼む!!!!陽葵ちゃんの好きな人の有無と好みのタイプを教えてくれｯｯｯｯ!!!!｣

｢やだ。｣

｢即答かよ!!!!｣

そもそも私は、陽葵にそういう話を聞いた事が無い。
女子はそういう話が好きだが、私はそういう話があまり好きではない。

｢陽葵の好みの人とか知らないし聞かない。好きな人とか居ないかもしれないし｣

私はそう言って松崎に諦めてもらおうとした。

｢今度学食のプリン奢るから〜!聞いてくれ!!!!｣

｢五個で契約。｣

｢仰せのままにA様!!!!!｣

契約してしまった。