【テニスの王子様】向日葵はいつも私を見ている (ページ15)

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拾肆輪目ページ15

今日は図書委員の仕事がある。最初は委員会なんてめんどくさいって思ってたけど、やってみたら案外楽しかった。

この人はこんな本借りるんだ〜とかって考えていくと、貸し借りの手続きもなんだか面白い。

だが、少し欠点があるとすれば……

｢ごめ〜ん！Aさん、私、ちょっと用事があって〜……。委員会に行けないんだ……ほんとにごめんね！！｣

そうこれである。
他人から見たら、一見"ただ用事があるから委員会に行けない"というだけの会話であるが、そうじゃない。

この子は過去に何回もこういうことがあった。
本当にただただ忙しいだけかもしれないが、本当はテニス部の応援に行くために委員会をサボっているだけ。

仕事は一切していない。

まぁ、別にいいけど。

知らない人と同じ作業をするのは苦手だ。……というか、あんなキャピキャピの陽キャのギャルと同じ場所にいるのが嫌だ。

……でもちょっとまって……。今日は部活ないんだって陽葵が言っていたような……。

｢よろしくお願いします｣

そんなことを考えていたら、突然頭上から声が降り掛かってきた。

声の主は、純文学である、夏目漱石の"こゝろ"の本を差し出してきた。

…………これ、読んだことある。

｢どうした、ぼっーとして。｣

｢っあ!ごめんなさい。すぐに手続きします。｣