【テニスの王子様】向日葵はいつも私を見ている (ページ13)

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拾二輪目ページ13

幸村さんは、私と初対面であるが、私を名前で呼んだり、スノードロップの花束を渡したり、言い方が悪いかもしれないが、少し"馴れ馴れしい"と思う。

何故幸村さんは私にあんな態度を取ったのか。

確かに私は、幸村さんの噂や情報は知っていた。

でも幸村は、私との関わりも無ければ、私は影が薄く、噂など立つはずがない。

私が覚えてないだけで、実は関わりがあった……とか…。

いや、そんな不自然な現象があるわけない。

花好きの母さんは喜んでくれているし、一応、貰い物だから捨てるのは勿体なくて、とりあえず花瓶に飾っている。

あの時の幸村さんは笑っていたけど、丸井くんや仁王くんが来てから、笑っているようで笑っていなかった。不敵な笑みを浮かびあげていた幸村さんに少し、恐怖を感じ、最近はテニス部の部活に立ち寄っていない。

｢最近元気ないけどよぃ、どうかした？｣

ぼっーとしている私に、丸井くんが話しかけてきた。

｢テニス部も見に来てねーし……。もしかして、陽葵と喧嘩でもした？｣

｢そんなことないよ！陽葵と喧嘩なんてしてないし、今後もしないと思うよ。ちょっと家のことが忙しくて、見れて来れないだけだよ。｣

｢無理は禁物じゃ。ぶっ倒れない程度に頑張りんしゃい。｣

｢ありがと、仁王くん。さすがにぶっ倒れない程度にがんばるね。2人ともありがと、心配かけてごめん。｣

我ながら、良い友達を作ったと思う。