第１０３話 ページ7
緑川「あと少しだけでいいからさ…………ここにいてくれない？」
何ですか、この可愛い生き物は。
熱のせいでリュウジは顔が真っ赤になり、目は涙ぐんで
うるうるとしている。
こんな弟が欲しかった……！
ひとりっ子の自分を恨みながら、私はもう一度座る。
A「大丈夫？ なんか欲しいものとかない？」
何だかこんな事言って、私お母さんみたいじゃんか
と心の中で苦笑する。
リュウジはえっとー……、と考える素ぶりを見せると
私の方を見てこう答えた。
緑川「Aの血……とか？」
ブフォッ
その言葉を聞いた瞬間、私は吹き出してしまった。
この子は何てことを言うんだ。
緑川「冗談に決まってるじゃん」
何本気にしちゃってるのさー、とリュウジは
クスクスと笑う。
A「もう……。 で、何がいいの？」
私は気を取り直して、もう一度リュウジに聞いてみる。
するとリュウジは、困ったような笑みを浮かべて
こう言った。
緑川「実は、風邪ひいたことないから何を持ってきてもらえばいいか、分からないんだよね……」
これぞまさに鬼の霍乱！ ってやつだよ、
とリュウジは得意気に諺を披露する。
鬼の霍乱、とはふだん丈夫な人が
珍しく病気に
かかることの例えだ。
A「じゃあ、私氷とかスポーツドリンクとか持ってくる」
私は立ち上がると、早く戻ってきてねー、とリュウジは
今度こそ私を引きとめないで見送ってくれた。
早く戻ってきてね、なんて言われたら
早く帰らない訳にはいかないでしょ……。
私はそんなことを思いながら、足を早めた。
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きなこもち - 面白いﾃﾞｽﾈ！ファイトデス！ (2016年5月4日 20時) (
レス) id: 5c36d154a9 (このIDを非表示/違反報告)
ネギマロ - 凄く面白いです！更新頑張って下さい！ (2016年3月25日 0時) (レス) id: 2b4d54ad06 (このIDを非表示/違反報告)
ＲW - お願いいたします。完結まで書いて下さい。ヤバいこの作品！おもしろすぎ！ (2016年3月9日 16時) (レス) id: 98fe04cf32 (このIDを非表示/違反報告)
紫苑 - 続き気になります！これからも頑張って！ (2015年7月27日 14時) (レス) id: b0cc2ec2d5 (このIDを非表示/違反報告)
媛乃ミカ(プロフ) - お気に入りにポチッと…更新頑張ってください！楽しみにしてます！ (2015年4月7日 8時) (レス) id: a7fa7f3826 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆく | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/sweetspice-yk/
作成日時：2013年4月4日 17時
