第９８話 ページ2
冷蔵庫から、お茶を取り出しコップに注ぐ。
落ち着かせるように一口飲み込むが
やっぱり落ち着かない。
コップを置いて一息つき、私は呟く。
A「リュウジ大丈夫かな……」
基山「そんくらいじゃ緑川は風邪ひかないから大丈夫だよ」
なんせ吸血鬼だしね、と言いながら
基山は器用に玉ねぎを薄切りにしていく。
玉ねぎを見ると、この前の涼野のくんとの
出来事を思い出してしまって、つい顔が赤くなる。
忘れろ自分、と思いながら両頬を自分でパチンと叩き
喝をいれていると、基山に不思議そうな目で見られた。
すると
緑川「ただいまー」
少し遠くの玄関から、リュウジの声が聞こえた。
A「帰ってきた！」
事前に用意していたタオルを手に持ち
私は玄関まで走る。
A「リュウジ本当にごめん！」
玄関に立つリュウジはびしょ濡れで
結んでいる髪からは水滴が落ち、着ている制服は
雨に濡れたせいで濃く変色していた。
緑川「全然大丈夫だよ？ Aこそ、今日貧血起こしたって聞いたんだけど大丈夫？」
A「えっ……？」
リュウジは微笑みながら、私が持っていたタオルを受け取る。
なんて、この人は優しいんだろうか。
リュウジの優しさに、目の奥が熱くなる。
A「私は全然大丈夫！ 私の分の仕事をしてくれたお礼に、お風呂沸かしてるから早く入っておいで！」
緑川「おっ！ 流石A、気が利くねー！」
ありがと、とリュウジは微笑むと
私の頭をぽんぽんと撫でて浴室へ向かった。
A「あの天然タラシめ……」
リュウジの不意打ちに、私はバカみたいに顔を真っ赤にし
へなへなとその場に座り込んだ。
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きなこもち - 面白いﾃﾞｽﾈ！ファイトデス！ (2016年5月4日 20時) (
レス) id: 5c36d154a9 (このIDを非表示/違反報告)
ネギマロ - 凄く面白いです！更新頑張って下さい！ (2016年3月25日 0時) (レス) id: 2b4d54ad06 (このIDを非表示/違反報告)
ＲW - お願いいたします。完結まで書いて下さい。ヤバいこの作品！おもしろすぎ！ (2016年3月9日 16時) (レス) id: 98fe04cf32 (このIDを非表示/違反報告)
紫苑 - 続き気になります！これからも頑張って！ (2015年7月27日 14時) (レス) id: b0cc2ec2d5 (このIDを非表示/違反報告)
媛乃ミカ(プロフ) - お気に入りにポチッと…更新頑張ってください！楽しみにしてます！ (2015年4月7日 8時) (レス) id: a7fa7f3826 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆく | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/sweetspice-yk/
作成日時：2013年4月4日 17時
