【ゲゲゲの謎】同僚が知らん男と子どもを抱えて帰って来た (ページ4)

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4話ページ4

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「………主はいい奴じゃのう」

「……………………いえ、別に」

初めて、男が私に向けて柔らかな雰囲気を放った。

この男、こんな顔も出来たのか。

先程まで、何処か私に警戒心を持っていた…気がする男が急に柔らかい雰囲気になるので逆に此方が戸惑ってしまう。

赤子はすやすやと眠り始める。

私がこの男等に気を遣わないといけないのはきみのせいなんだぞ、と軽く一瞥する。

何とも可愛らしい寝顔だ。

毛布は膝掛け用にと何枚か予備があった為、それを引っ張り出し水木に渡す。

　

「本当に、有り難うな」

この男も、赤子を見て緩やかな雰囲気を纏わせながら私は感謝をしてくる。

水木にとって、あの赤子は一体どの様な存在なのだろうか。
片目の男との出会いとか、出張先の村で何が起きたのだとか、貴方のその人柄と容姿の変化は何故なのかだとか…聞きたいことは無数にある。

けれど

「いえ、取り敢えず…一晩だけですから」

私が踏み込むことでは無いのだろう。
気になるが、これ以上踏み込めば私も厄介事に巻き込まれる気がする。

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「……ぅ」

何か、身体が重い。
寝苦しい、けれど動けない。

気持ち悪い、吐き気がする…けれども、身体を動かすことは出来ない。
頭のてっぺんから爪先まで凍り付いたような感じがする。

熱いのに寒い、上下の感覚が無くなっていく。

心臓の音が、静まっていく気がする。

「ちょっかいを掛けるのは辞めて貰えんかのう
此処の家主はこやつじゃ、手を出すな」

私の頭上で、そんな声が聞こえると共にぐちゃりと何かが潰れる音がする。

未だに気持ち悪さは抜けないが、身体が動くようになり心臓の音が戻ってくる感覚がしてきた。

「ゲゲ郎…………さん………」

私、嫌……何か別のものを見下ろしてる片目の男の姿が見える。意識がふわふわとしている、嗚呼…これは夢か。

「…ふぅ、迷惑かけて済まんかったな

主の言う通り…之は夢じゃ、ゆっくりお眠り」

彼は私の目を隠す様に私の額に手を当てる。
意識が暗闇に落ちていく、夢の中なのに眠るなんて変な夢だ。

けれど、今日は色々変なことがあったから、変な夢を見るのも頷ける。

…一晩だけと言ったが、明日はどうしようか
明日の彼等の処遇を考えながら私は眠りに着いた。

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